Xnp2 - ねこープロジェクトII for X Window System
1. はじめに
ねこープロジェクトII はぷにゅ氏により作成された Windows 上で動作する
i286 CPU を塔載した PC-9801 シリーズのエミュレータです。
Xnp2 はねこープロジェクトII を UNIX 系 OS で動作する様に移植したものです。
2. 動作環境
X Window System が動作する UNIX 系 OS で動作します。
3. 必要なソフトウェア
3.1. コンパイル時に必要なソフトウェア
・gcc
・GTK+ 2.6 以降
以下は動作には必須ではありませんが、音を鳴らす場合等に必要になります。
・SDL (サウンド・ジョイスティックを使用する場合に必要です。)
・SDL_mixer (フロッピーのシーク音等の PCM を再生する場合に必要です。)
・XFree86-VidModeExtension (画面解像度を変更するフルスクリーン機能を使用する場合に必要)
3.2. 実行時に必要なソフトウェア
画面解像度を変更しないフルスクリーン機能を使用する場合には、使用している
ウィンドウマネージャが NETWM 規格に準拠している必要があります。
NETWM 規格については以下の URL を参照してください。
http://freedesktop.org/wiki/Standards/wm-spec
4. インストール
Xnp2 のインストールはコマンドラインから以下の様に行います。
$ ./configure
$ make
$ su
# make install
※configure で指定できるオプションについては ./configure --help を実行して
表示されるヘルプを参照してください。
5. 実行
5.1. 実行方法
プログラムの実行はコマンドラインから以下の様に行います。
$ xnp2
また、起動時にフロッピーディスクドライブにディスクイメージを挿入したい場合、
以下の様にディスクイメージを引数に指定してください。
例: FDD1 に system.d88、FDD2 に data.d88 を挿入して起動
$ xnp2 system.d88 data.d88
5.2. 初期設定
1) CPU クロックの設定
メニューから [Emulate -> Configure...] を選択し、設定ダイアログを
表示します。
CPU クロックの既定値は PC-9801VX 相当の 10MHz になっています。
処理落ちが発生してしまう様でしたら、クロックの設定を変更してクロック値を
下げてください。
2) サウンドの設定 (サウンド使用時のみ)
CPU クロックの設定と同じダイアログで設定できます。
サンプリングレートは処理速度に余裕があれば 44KHz に設定してください。
サウンドバッファは処理が追い付く最低の値を設定してください。
環境にもよりますが、速いマシンであれば 50~100 ms、通常で 200ms 位が
目安です。
3) 設定の反映
1) ~ 2) を行った後、[Emulate -> Reset] で設定の反映を行います。
サウンド使用時に起動音が鳴らない場合には、プログラムを一旦終了してから
再度起動し直してください。
5.3. 操作方法
5.3.1. マウス
3 ボタンマウスを使用している場合、中ボタンのクリックで X <-> PC-9801 間の
マウス操作の切替を行います。
5.3.2. キーボード
キーボードは日本語 106 キーボードを使用する事を想定しています。
ただし、PC-9801 キーボードとはキーボードレイアウトが異なる為、
一部のキーを入れ換えてあります。入れ換えられているキーについては
以下の表を参照してください。
+-------------------------+----------------------------+
| PC-9801 | 106 |
+-------------------------+----------------------------+
| GRPH | Alt |
| HELP | End, F12(*) |
| CAPS | ScrollLock |
| NFER | 無変換 |
| XFER | 変換/前候補/全候補 |
| STOP | Pause/Break, F12(*) |
| COPY | PrintScreen/SysRq, F12(*) |
| カナ | カタカナ/ひらがな/ローマ字 |
| テンキーの = [イコール] | F12(*) |
| テンキーの , [カンマ] | F12(*) |
+-------------------------+----------------------------+
(*) F12 キーのキー割り当てはメニューから変更できます。
日本語 106 配列では無いキーボードでは入力できないキーがありますが、
その場合にはソフトウェアキーボードから入力してください。
ソフトウェアキーボードはメニューから Other -> Software Keyboard で
表示されます。使い終ったソフトウェアキーボードは表示すると同じ手順を
再度行う事で表示されなくなります。
6. ディスクイメージ
Xnp2 では、直接 FDD からデータの読み書きは行なわずにディスクイメージより
データの読み書きを行います。また、ハードディスクもフロッピーディスクと
同様にディスクイメージよりデータを読み書きを行います。
6.1. フロッピーディスクイメージ
Xnp2 ではベタ形式および D88 形式のフォーマットが利用できます。
6.1.1. フロッピーディスクイメージの使用方法
フロッピーディスクイメージを使用するには、メニューから
[FDD -> Drive[12] -> Open...] を選択すると表示されるファイル選択
ダイアログで使用するディスクイメージを選択してください。
6.1.2. フロッピーディスクからイメージ作成
(注) イメージを作成する際にはフロッピーディスクを書き込み禁止に
してください。
UNIX 上では dd を使用してフロッピーディスクからベタ形式のディスク
イメージを作成する事が可能です。ただし 1.25MB のディスクを扱うには
フロッピーディスクドライブと OS が 1.25MB フォーマットに対応して
いる事が必要です。
以下の様なコマンドでフロッピーデバイスからファイルに書き出す事で
ディスクイメージが作成できます。
(フロッピーデバイスのパスは各 OS で違うので、使用している OS の
デバイスパスに置き換えてください。)
dd if=/dev/rfd0d of=diskimg.xdf
MS-DOS や Windows でのディスクイメージの作成方法については、
以下の章で示されているヘルプを参照してください。
6.1.3. 新規フロッピーディスクイメージ作成
Xnp2 の機能を使用すると D88 形式のディスクイメージを作成できます。
1) [Emulate -> New Disk...] を選択すると、ファイル選択ダイアログが表示
されます。
2) ディスクイメージを作成するディレクトリとディスクイメージファイル名を
設定し、「OK」ボタンを押します。
3) 新規フロッピーディスクイメージダイアログが表示されるので、作成する
ディスクイメージの種別とラベルを設定します。
6.2. ハードディスクイメージ
Xnp2 では THD 形式(T98)、NHD 形式(T98-Next)、HDI 形式(Anex86) の
SASI ハードディスクイメージが利用できます。
6.2.1. ハードディスクイメージの使用方法
ハードディスクイメージを使用するには、メニューから
[HardDisk -> SASI[12] -> Open...] を選択すると表示されるファイル選択
ダイアログで使用するディスクイメージを選択してください。
選択したハードディスクイメージ使用するには [Emulate -> Reset] を実行
してください。
6.2.2. 新規ハードディスクイメージ作成
Xnp2 の機能を使用すると THD 形式のディスクイメージを作成できます。
1) [Emulate -> New Disk...] を選択すると、ファイル選択ダイアログが表示
されます。
2) ファイル選択ダイアログの [他のフォルダ] をクリックし、ダイアログを
拡張します。
3) 作成するディスク形式、ディスクイメージを作成するディレクトリと
ディスクイメージファイル名を設定し、「OK」ボタンを押します。
4) 新規ハードディスクイメージダイアログが表示されるので、作成する
ディスクイメージの容量を設定します。
7. コマンドラインオプション
--config-file <filename>
起動時に読み込む設定ファイルを指定します。また、このオプションが指定
されるとホームディレクトリとして、設定ファイルの存在するディレクトリ
を使用します。非指定時には $(HOME)/.np2/np2rc を使用します。
--timidity-config <filename>
Xnp2 に内蔵されている TiMidity 互換のソフトウェア MIDI 音源で使用する
音源設定ファイルを指定します。非指定時は $(HOME)/.np2/timidity.cfg を
使用します。
8. 備考
・man page がインストールされていれば man xnp2 でマニュアルが表示されます。
・このマニュアルや man page に書かれている以上の情報が欲しい場合は、
以下の URL にあるヘルプを参照すると見つかるかもしれません。
Xnp2 help URL: http://www.asahi-net.or.jp/~aw9k-nnk/np2/html/help/ja/
9. 問題点
・解像度変更をするフルスクリーン機能を使用している際に、元の画面解像度が
640x480以外の場合に仮想画面がスクロールしてしまう。
10. 免責事項・著作権
10.1. 免責事項
Xnp2 は無保証です。Xnp2 の使用によって得られたいかなる利益・損害に対しても
作者は責任を負いません。
10.2. 著作権
本ソフトウェアの著作権、その他の知的財産権は、日本法に準拠する為、
ねこさん開発ちーむが所有しています。
ねこープロジェクトのソースコードは修正 BSD ライセンスです。Xnp2 固有部分の
ソースコードも修正 BSD ライセンスとします。再配布時の著作権表示の義務は
ありません。
11. 連絡先
本ソフトウェアの配布元は http://www.asahi-net.or.jp/~aw9k-nnk/np2/ です。
また anoncvs を使用して最新のソースを取得できます。
cvs -d :pserver:anonymous@retropc.net:/cvs get np2
本ソフトウェアに関する問い合わせは
NONAKA Kimihiro (埜中公博) / nonakap@gmail.com
まで電子メールにてお願いします。
RetroPC.NET-CVS <cvs@retropc.net>