ダム、高層ビル、パイプが複雑に絡み合った工場、風力発電のプロペラ、鉄塔、道路の立体交差、車を運転しながら橋の下をくぐる時。これらの単語に心が動かされてしまう人のためのDVDです。
これら個々の単語をネットで検索すると、鉄塔マニアやダムマニアの方々はいますが、何か一つの事に特化しているのではなく、”それら”を併せた全てに見入ってしまう人にしか観る価値がない内容です。わかる人にはもう、これだけで充分に伝わるでしょう。
”それら”がどういった物を指すのかをはっきりと定義することが出来ないのですが、ボクは人の手で作り出された人の大きさを遙かに超えるもの全てに同じような言い表しようがない気持ちを持つことがあります。そういった物が作られた時点での人間の技術力の集体物に、人間のすごさを感じるのです。普通は(普通の人は)、映画とか小説、絵画や音楽といった文化的な物に対して感動する気持ちと同じ大きさのベクトルが、機能を持った巨大な構造物・建築物に向いているのです。また、ボクは幼少の頃を自然の中で育ったので、自然の中にある人工物や、その逆に街中の自然物に違和感を持つのですが、それが日常の中の非日常というおもしろさとして感じられるのかなと自己分析しています。
ボクには、これはどこどこの鉄塔だとか、なんとか型のダムですね、なんてことはさっぱりわかりませんが、でも、観てるだけで充分満足です。ただ、工場にはあまり萌えません。大気や水質を汚染するという印象を持っているからだと思います。(今時の工場はそんなことないのでしょうが)
こういう建築物は、DVDや写真で観るのではなく、自分の目で直接見た方がいいに決まっているのですが、それがなかかな難しい場所の映像も納められていますし、映像に合わせた綺麗なBGMがついていますから、買って観る価値のある内容です。納められている映像も、定点観測的な早送り程度の演出がたまにある程度で、余計な映像効果はありません。スクイーズ収録ですし、きっと、ボクと同じ嗜好を持つであろう、作り手の意志が充分に伝わってくる作品です。
ちなみにDVDが一枚入っているだけで説明のペラすらありませんし、DVDにはメニューもありません。その分、安いので、それで構わないと思いました。
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