万引き少年ゲームについて、わかっている範囲でとりまとめてみました。
万引き少年ゲームの歴史については、bmfanさんのページにある、マイコンBMFANマガジン Ver.1.0の記事中にまとまっています。また、ALL ABOUT マイコンBASIC Magazineさんのページにも掲載プログラムの一覧がありますので、これらから引用させていただくと…
- マイコンベーシックマガジン1983年10月号 「移植版万引少年ゲーム / HC-20」
- はるみのゲーム・ライブラリー 「まんびき少年ゲーム / PC-6001」
- マイコンベーシックマガジン1982年7月号 「移植版 万引き少年ゲーム / PC-6001」
- ラジオの製作付録ベーシックマガジン82年1月掲載 「万引少年ゲーム / MZ-80K2/C/E」
- 雑誌RAM 1980年2月号掲載「万引少年 / PET2001」
という事になります。MZ版はRAM版を参考にして作成した事が記事中に書かれています。
雑誌掲載では、PET2001版の「万引少年」が最古なのですが、実は雑誌掲載よりも前に公の場で発表されています。
東大マイコンクラブ著, 集英社 / だからいまマイコンによると、1979年の東大駒場祭において、東大マイコンクラブが制作したゲームとして「万引少年」のタイトルで発表されたようです。「万引き少年」でも「万引き少年ゲーム」でもありません。翌年の駒場祭では「万引少女」というゲームが発表されたようです。こちらは音声合成でしゃべるゲームだったようですが、画面写真や動作機種などについての記述がないので、これ以上の事はわかりません。
だからいまマイコンに掲載されている写真では、PET2001ではなくCBM3032のようにも見えますが、写真が小さいのと、どのマイコンで万引少年が作られたのかは書かれていないので詳しいことは不明です。
1980年2月号のRAMにも同じような経緯が記事中に書かれていますので引用すると、
このゲームは、11月下旬に行われた東大駒場祭において、当ゲーム開発事業部企画「熱中時代・ゲーム編」に出品するために開発されたものです。
~中略~
また、駒場祭が終り、このゲームを『RAM』編集部へ持っていくと、その題名のあまりな不埒さに編集部の人がかなりビビッタようです。でも、何とかOKが出たので、掲載の運びとなったのです
ということですから、駒場祭が最初ということで間違いなさそうです。
記事中では、「あるメーカーから商品化される予定ですので、個人で楽しむ以外は一切の使用を禁止します」と書かれているのですが、実際に商品化されたかどうかはわかりません。
ちなみに記事のタイトルでは「万引少年」なのですが、RAM誌の表紙や目次では「PET2001 万引少年ゲーム」となっています。
開発元が東大マイコンクラブである事は、東大マイコンクラブのホームページ内のUTMC – 活動成果 – ソフトウェアにも書いてあります。