CENTRYのplus one VGA LCD-8000Vが、15KHz, 24KHz, 31KHz アナログRGB入力できると聞いたので(togetter – LCD-8000DAと8000Vの比較まとめ)、X68000だとどうなのか実験してみました。
8000Vの入力端子はminiD-SUB15ピン(WindowsPCのグラボにあるような端子)ですが、X68000の映像出力はD-SUB15ピンですから、別途、変換コネクタが必要になります。
8000Vの電源は何かしらの機器のUSBポートから取ります。手頃なUSBポートが無い場合は別売りのACアダプタが必要になります。私はとりあえず電源を落としたままのXBOX360を使いました。
X68000本体がちょっと離れたところにあっても、キーボードとモニタだけで一通りの事が出来てしまうのが便利です。こうなると小さなX68000用のキーボードが欲しくなります。
Human68Kを起動したところです。PC-9801用のアップスキャンコンバータをX68000で使った場合、高さ512ドット中の480ドットまでしか表示されないものが多いのですが、このモニタでは768×512ドット全ての領域が表示されています。アナログRGBなのと、画面のスケーリングが行われているからか、部分部分でにじみがあるのですが、元々の画面が8インチと小さいこともあって気になりません。
MMDSPを起動したところです。画面モードは512×512かな?画面内に全て収まっていますね。手元の画面だけで曲選択&再生ができるので便利です。
512×512モードで1ドットラインを16ドット単位の格子を描いた画像を表示してみました。全てのラインが表示されていますし、画面全体がちゃんと表示されています。ただ、全て同じ太さのラインなのに、画面では太さ(明るさ?)に違いがあります。
スターフォースを起動してみました。画面モードは31KHzで、左の写真が256×256、右が384×256モードです。自機がぶれているのはカメラのシャッタースピードと、液晶なので残像(応答速度)が出てしまうからです。ただ、それほど酷い残像ではありませんので実用上は問題ないと思っています。この辺の感じ方は個人差ですし、12000円のモニタとしては満足できると思います。
384×256モードでも問題なく表示できていますね。
スターフォースを15KHz 256×256モードに切り換えてみました。まず、自機を動かすと残像というかインタレースのすだれのような縞模様がはっきりと見えてしまいます。静止画だとわかりません。
また、表示が左右方向にはみ出てしまいます。実機でも15KHzではオーバースキャンで表示領域が専用モニタの画面外に出てしまうのですが、それと似たような感じです。
15KHzは一応表示できなくもないけど実用的ではないかなというのが結論です。15KHz専用ゲームで困るかも。
バブルボブルを起動してみました。左が31KHz、右が15KHzです。
やはり15KHzでは左右方向がはみ出てしまいます。8000Vには表示位置とサイズの調整機能があるのですが、それを目一杯まで使ってみても画面内に収めることはできませんでした。
モトスを起動してみました。256, 384共に問題なく表示できています。
イースを起動してみました。画面モードはわかりませんが、512×512かな?
ゲーム画面自体は問題なく表示されているのですが、ゲーム画面を覆っている枠(ツタの絵が描いてある部分)の一部(画面の上の方)が常にちらついています。ゲームをやってる最中に気になるかもしれません。
ボスコニアンを起動してみました。表示領域は問題ないのですが、色々とケーブルを抜き差ししてたり画面モードを色々と切り換えしていると、この写真のように画面全体が上側に寄ってしまったり、左側の表示がはみ出たりすることがあります。基本的には8000Vのメニューから表示位置の調整が可能なのですが、一度だけ8000Vの位置調整機能が反応しなくなってしまって8000Vを工場初期化しました。メニュー一発で初期化できますし、大抵はそれで表示位置が正しくなるので、表示調整が面倒な時はリセットしちゃうのがよいです。
ファンタジーゾーンを起動してみました。左が31KHzで右が24KHzです。24KHzでもちらついたり画面がはみ出たりすることもなく表示できました。8000Vは神機か!と思った瞬間。
8000Vが実用上、どの程度ゲームに耐えられるのか試した結果です。ノーコンティニューでクリアできるくらいには違和感なく遊べます。多少の残像はあるので、細かい弾がたくさん高速で動くような弾幕ゲームには向いていないかもしれません。
家庭用のゲーム機を液晶テレビに繋いで遊ぶと、表示遅延と残像が理由で違和感を感じてクリアできないということがあります。液晶テレビで久々にスーパーマリオを遊ぶとジャンプのタイミングが合わなくてゲームが下手になったのかなーと思ったりする事があるのですが、遅延の少ない液晶テレビやブラウン管テレビで遊び直すと簡単にクリアできるということがありますから、液晶テレビの遅延は大きな問題ですね。
8000Vを縦置きにすれば縦ゲーにも対応できると思いますので、X68000との相性はとても良いです。あと、全ての画面モードでアスペクト比は未確認です。単に調べるのが面倒だったので。
X68000を大きなモニタでちゃんと表示したいのであれば、マイコンソフトのFRAMEMEISTERと、ゲームモードのある液晶テレビを買いましょう。
せっかくなので、RGB出力のできる家庭用ゲーム機でも試してみました。各ゲーム機のRGB 21pin出力をマイコンソフトのSELECTY-21に接続してD-SUB15pin出力したものを8000Vに繋いでいます。
機種 | 結果 |
---|---|
サターン | 画面点滅で非実用的 |
PS2 | 映らない |
PS2でPS1ゲーム | 画面点滅で非実用的 |
RGB化したNintendo64 | 画面点滅で非実用的 |
ドリームキャスト | 画面点滅で非実用的 |
メガドライブ+XMD-2 | 映らない |
ぜ、全滅だと・・・。
縦方向の解像度が240ラインのゲーム機(今回の実験に含まれないスーファミRGBも)を8000Vにつなぐと画面が映ったり消えたりするので、対応していないと考えていいと思います。もしかすると映像信号の複合同期信号を分離すると映るのかもしれませんが、XMD-2で映らなかったので可能性は低いかも。
PS2の480i出力が映らない理由がわかりませんが、PS2のRGB映像出力は複合同期なので、同期分離回路を通したら映るかもしれません。
VGA出力のドリームキャストは映りました。ただ、VGA非対応のゲームを起動すると映らなくなる可能性はあります。でもまぁ、ドリームキャストであれば、今時のパソコン用液晶モニタに繋げた方がいいですね。
[追記]
自分では確認していないのですが、XSYNC-1を使うと上記のゲーム機でも映るものがあるようです。
[追記2]
頂いたコメントへの返信です。
コメントの通り、バージョン違いにより表示できる・できない個体があるようです。
貴重な情報ありがとうございます。興味深々で読ませていただきました。
LCD-8000VとX68000なのですが、私の環境ではどうしても
human画面で下のファンクションキー表示が切れてしまいます。
もしよろしければ、X68000のhuman画面を映した祭、
LCD-8000VのOSD「情報」項目の表示内容を教えていただけませんか?
参考までに、私のものでは
Source: VGA
Format: H 800 V480
VERSION: VGA ONLY 091014
となっております。
大変お手数ですが、よろしくお願いいたします。
通りすがりさん
X68000 SUPERを接続してOSD情報を表示した画面を記事に追加してみました。[追記2]
Human68Kの画面は縦方向の解像度が512ドットなので、FormatのVが480だと画面に収まらずにはみ出てしまいますね。私のLCD-8000VではFormatのVは600なので画面内に収まっているのだと思います。
X68000に接続した直後ではたまに表示位置がずれる事はありますが、画面から大きくはみでるということはありませんでした。
VERSIONは090626でした。これが日付だとすると2009年6月26日ということになるのでしょうか。でも、購入した時期は2013年6月です。
例えば、画面の解像度を800×600にしたWindows PCを接続してみてLCD-8000Vを解像度を800×600として認識させた後にX68000をつなぎなしてみるとかどうでしょうか。
調べていただき、本当にありがとうございました。
やはりバージョンが違いますね・・・
ケーブルを変えてみたり、おっしゃる通り800×600で接続した後に
繋ぎ直してみたりしましたがVが480で認識されてしまう状況は変わらずです・・
もうちょっと悩んでみて、もう一台買ってみようと思います。
本当にありがとうございました。