MAP-1010の実機とマニュアルからいろいろとわかったことを書いていきます。
SEIKO MAP-1010は、株式会社服部セイコーから発売された、SEIKOMAPファミリーCAIシステムを構成するハードの一部です。とはいっても、MAP-1010が中心となって、その他のMAPから始まる型番の周辺機器があるという構成だと考えていいと思います。具体的には、次のような周辺機器が発売されていたようです。
また、本体のMAP-1010ですが、PC本体を1010、セパレートタイプのキーボードを1010Kと呼ぶようです。
拡張I/Oボードには、サウンドジェネレーター、シリアルインタフェース(RS-232C)、ジョイスティックインタフェースが備えられており、ジョイスティックとデジタイザ(MAP-1070)が接続できるようになっているようです。拡張I/Oボードにサウンドジェネレーターが内蔵されていますが、これは、MAP-1010には音源が備わっていないという事を意味します。BASICのPLAY/SOUND命令の説明文には拡張I/Oボードが必要と記述されていますので、先日のMAP-1010分解で音源ICらしきものが見あたらなかった事からも、本体には音源が搭載されていないということで間違いなさそうです。
メモリ構成ですが、マニュアルによると、ROM 24KByte、RAMが32KByte(通常のRAM)と6KByte(ビデオ用)となっていて、RAMはトータルで38KByteということになります。先日の分解でもDRAMが32KByteでSRAMが6KByteだということがわかりましたが、これでSRAM 6KByteの使い分けがわかりました。ちなみに画面処理用ICのM5C6847P-1をICのマニュアル通りに使用すると6KByte程度のビデオメモリを必要とすることからも、間違いなさそうです。ただ、BASICでは2つのページを持てるようなので、そのあたりをどのように管理しているのかは不明です。
キーボードはJISキー配列が57個、カーソルキーが4個、ファンクションキーが4個、テンキー部分が16個です。キーボード左側には上からESC、GRAPH、CTRL、SHIFT、右側には、DEL、RETURN、KANA、SHIFTキーがあります。KANAキーを押すとKANAランプ(LED)が点灯し、ひらがなやカタカナが入力出来るようになります。GRAPHキーを押しながらJISキーを押すと、記号を入力できます。
BASICについては・・・あまり興味がないのですが(えー)、ざっと特徴を説明します。画面切り替えによるページは最大で2ページです。ページ数の設定ですが、PC-6001と異なり、BASIC起動時に最大ページ数を入力するのではなく、BASICのSPAGE命令によっていつでもページ数を設定する事が出来ます。ページ数1でのフリーメモリは約29000Byte、ページ数2では約23000Byteのフリーエリアとなります。
MAP-1010にはカセットデッキが内蔵されていて、BASIC上から早送り、巻き戻し、マーカー検出による頭出し等のコントロールが可能です。もちろん、CLOADやCSAVEといった命令によるプログラムの読み込みや保存も可能です。CLOAD+RUNをまとめて実行するCRUNという命令や、画面の内容をテープに読み書きするSLOAD/SSAVEという命令もあります。
BASICの画面モードは4種類で、PC-6001と同じようです。PC-6001と同じ画面処理ICを使っているので当然では、と思われるかも知れませんが、M5C6847P-1は細かくみていくと14種類の画面モードがあり、また、画面モードを変更するSCREEN命令の書式もPC-6001と同じですから、意図的に揃えたのではないかと思われます。
MAP-1010にはカレンダー制御ICが組み込まれていますが、BASICから制御できるのは時分秒だけで、MAP-1010の電源を切ると時計が止まってしまう(リセットされる?)ようです。
MAP-1010のメモリマップですが、まず、I/Oもメモリ領域に割り当てられています。7800H~7FFFHがI/O用メモリ領域ですが、その使い方はマニュアルには記載されていないのでBASIC ROMを解析するしかなさそうです。ビデオメモリ(SRAM 6KByte)は6000H~77FFHに割り当てられています。
以上が、マニュアルから読み取れた情報です。BASICが格納されているEPROMの吸い出しは出来たので、解析すればもう少し詳しい事がわかるとは思いますけど、解析をする予定はありません。エミュレータは、いずれ武田さんが作られると思いますので、楽しみにしています(笑)。
まだMAP-1010の個とを書いてくださる方がいて嬉しく思います。
MAP-1010のBASICはPC-6001とほぼ同じようで、PC-6001のそふともそのまま動く物がありました。
ただし、MAP-1010のデーターレコーダーで記録したテープはPC-6001で読めない場合が多く、一方通行の互換性という感じです。
またねMAP-1010のBASICには私が知る限り3種類が存在しています。
発売直後の1.0は回収対象となりましたが、その後出てきた1.1と1.2はほぼ同じ内容の物です。
ただ、1.1には、if then elseの命令にバグがありました。
1.2ではPC-6001と同じで動くのですが、1.1では、thenのあと、elseの前に;を付けないとエラーで止まってしまったはずです。
MAP-1010懐かしいのでまた遊びに来させて頂きます。
> 相澤さん
まさかMAP-1010にお詳しい方がいるとは!当時、MAP-1010を所有されていたのでしょうか。BASICの細かい違いまで把握されているとは驚きです。
メジャーなマイコンであれば当時所有されてた方が多かった事もあって、今でもいろいろな方から話を聞く事もできるのですが、当時の雑誌でも扱いの少なかった機種ですとなかなか今となっては情報も少ないのですよね。
他にも何かご存じな事がありましたら、ぜひぜひ、教えて下さい。コメントを楽しみにしています。(^^)
そうそう、私の手元にあるのはv1.3と表示されるバージョンです。
はい、所有していたというよりは、ソフトを少々作らせて頂いていました。
MAP-1010を販売して頂く時計屋さんの為の顧客管理ソフトはテープ版とFD版を開発して販売しました。
また、MAP-1010用のゲームソフトの開発も予定していたのですが、MAP-1010自体が1年チョットで市場から撤退してしまいましたので・・・
ゲームソフトの開発の可能性を調査するため、PC-6001葉のソフトについて色々と調べていて、アスキーさんのゴルフゲームはPC-6001用の物がそのままMAP-1010で動く個とを確認しました。
また、移植と言うほど手は加えなかったのですが、マイクロキャビンさんのミステリーハウスもMAP-1010で動かすことが出来ましたので、マイクロキャビンさんには、MAP-1010向きに販売する許可をいただくために本社を訪問させて頂いたこともありました。
その他に、データーレコーダーは連動させなかったけれど、高校生用の数学Ⅰのソフトなどにも挑戦しました。
当時の服部セイコーの担当者から、OEM云々の話しはありませんでしたが、MAP-1010のBASICを知りたいというお客さんがいた場合、サンヨーのPHC-25用に市販されている本を紹介するようにと言われていました。
何で、PC-6001ではなくてPHC-25だったのか、こちらのページを見せて頂いてやっと解りました。
また、時々訪問させて頂きたいと思います。
、
> 相澤さん
FDもあったのですね!各種周辺機器の事はMAP-1010のマニュアルで知ったのですが、本当に発売されていたのかどうかすらわからなかったので、とても貴重なお話、嬉しい情報です。
ぜひ、また、MAP-1010の事を書き込んで下さい。楽しみにしております。
MAP-1010のユーザーだった者です。
叔父が時計屋を営んでいた頃導入していて、
不要になった際譲り受けました。
BASICに関しては学研の科学に載っていたプログラムを打ち込んで
動かした覚えがあります。
おそらくPC-6001のものだった気がしますが、定かではありません。
知識が乏しいながらもプログラムを走らせて、
エラーが起きたら行ごと削除して無理やり動かしていました。
マッピーの算数パズルシリーズでも良く遊びましたが、
テープの音声を逆再生させて説明を行うシステムに感心したものです。
ちなみにモニターは15年ほど前までMSX2やビデオ用として活躍してくれました。
> coralbaxxterさん
コメント記入ありがとうございます。
MAP-1010のお話が出来る人が少ないので、とても嬉しいです。
マッピーの算数パズルシリーズってなんでしょうか。パッケージソフトとして
発売されていたものなのでしょうか。
どうも遅れまして。
算数パズルシリーズは一応パッケージソフトだったはずです。
叔父の店にあったとき既に存在してたので私が買ったのではないですが、
値段が表記されてたと思います。
2種類のパズルゲームが1本のテープに収まってたと思います。
プログラムをロードしている最中にB面の解説音声が再生され、
待ち時間をうまく使っていたと思います。
はっきりと覚えているのは「ハノイの塔」くらいでしょうか。
ゲームソフトは他に「ベースボール」が発売予定にあったと記憶してますが、
結局どうなったのかわからずじまいです。
お返事ありがとうございます。
市販のソフトはあまりなかったのかなと思っていたので充分ビックリです。
当時の雑誌広告を調べてみるともう少しはっきりするかもしれませんので、
RETROPC.NETのエライ人に聞いてみようかなと思います。
MAP-1010について何か判ったことが少しでもあったら、また日記に書こうと
思います。
お久しぶりです。
算数パズルシリーズは、服部セイコーから発売されていた物で2種類か3種類存在していたはずです。
「ハノイの塔」と「ペグソリティア」があったことは覚えています。
いずれも、パズルゲームですが、データーレコーダーを生かして、ゲームの進め方を説明してくれたり、クリアーするとほめてくれたりしたのがユニークではありましたが、当時発売されたばかりの任天堂のファミリーコンピューターには遠く及ばない存在でしたので・・・
岐阜の武市時計店さんから、ゲームソフトが1~2本発売されていたような気がします。
私のところからは、アスキーのゴルフゲーム・マイクロキャビンのミステリーハウスのMAP-1010版を販売しました。
アスキーのゴルフゲームは、元々プログラミングのテキストも兼ねていたような商品で、BASICのリスト付きで販売されていましたし、そのまま読み込ませると動きましたので、著作権等の問題はないとの判断でしたが、アスキーではあくまでPC–6001用として販売していたので、万一動作不良等があった場合の対応がと言うことで、あえて動作確認済みソフトとはしないで、私のところから販売しました。
マイクロキャビンさんのミステリーハウスは少々加工が必要でしたので、マイクロキャビンサンの許可をいただいて、私のところがMAP-1010版の発売元となっていました。
加工と言ってもたいしたことはしなかったのですが・・・
MAP-1010は、多少相性の問題が出ることはありましたが、PC-6001でテープに記録した物を読むことが出来ました。
ただ、当時かのPC-6001用の市販ソフトは、プログラムの最初の2行が、BASICのプログラムリストを表示できなくするコマンドになっていることが多く、MAP-1010のユーザーがARUNでプログラムを読み込ませると暴走してしまいました。
また、反対にMAP-1010で作成しSAVEしたテープをPC-6001で読ませることは私が知る限り不可能でした。
いずれにしても、流通が服部セイコーの関係に限定されていたため、(当時熱心に販売しようという時計屋さんが少なかったため)家庭用の販売はかなり早い時期に断念されてしまったような気がします。
後半、船舶時計を扱っている商社などが塾専門に販売していたこともありました。
服部セイコーの担当者から、紹介されて、塾向きの成績統計のプログラムを作って、塾専門に販売している商社さんの営業に同行したこともありました。
そのときはプリンターの問題についても勉強させてもらったのですが、そのことはまたの機会に書き込ませて頂こうかと思います。