基本的なスペックについては、BUBCOM80 補完ページに詳しく書いてありますが、そこに書いてない情報が電子技術とアスキー誌に掲載されていましたので、引用してまとめてみました。
[2018/04/08追記] 別記事に実機の写真や動画をUpしました。BUBCOM80の解析
スペック
CPUはZ80Aで約4MHzで動作します。
メインメモリのRAMはDRAM 64KByteがフル実装されています。
起動用ROMが2KByte搭載されています。本体起動時の初期化と、ディスク、カセットテープ、バブルメモリなどの起動処理に使われます。
キャラクタジェネレータを搭載していて、メインメモリとは別に2KByteのRAMが使われています。RAM領域なので再定義可能ということになります。本体起動直後は自動的にデフォルトのフォントが定義されます。
CRTコントローラには、μPD3301 (PC-8001と同じです)を搭載しています。
別売りの高解像グラフィックボードで解像度を上げることができます。μPD3301と高解像グラフィックボードの画面は合成して出力することが出来るようになっています。高解像グラフィックボードは48KByteのメモリ領域を持ち、640×200ドット8色での表示が可能です。このメモリはZ80Aのメインメモリとは別の空間にあり、Z80AからはI/Oポートを経由してアクセスすることになります。つまり、Cレジスタを使ってI/OポートにアクセスするとBレジスタの内容がアドレスバスの上位バイトに現れるという仕様を使ったVRAMへのアクセス方法です。
キーボードはJIS配列ですが、キーボード裏側のスイッチを切り換えると、初心者向けのキー配列になります。このモードではBASICを入力しやすくなり(ほぼSHIFTキーを押さずにBASICを入力できる)、カナが50音順になります。このモード用に「初心者用キートップ」が別売されていたようです。
CMT/シリアルインタフェースには、別売りのロール式アイテムキーが接続可能になっています。これはオフコンなどで使われていたキーで、たぶんページをめくって操作を切り換えられるタイプのキーボードだと思うのですが、私は業務用機器については詳しくないので、どういうものかわかりません。
外部インタフェースにRS-232C(300Baud~9600Baud)が標準装備です。また、オプションとしてBSC通信用インタフェースが別売されていました。
セントロニクス準拠のプリンタインタフェースが搭載されています。
ジョイスティックポートが2つあります。
カセットインタフェースがあり、速度は1200Baudです。
拡張I/Oボックスには、最大で4枚の各種インタフェースカードを収納することができます。ここに、高解像グラフィックボード、フロッピーディスクコントローラ、BSCインタフェースなどを載せます。
音源は不明ですが、スピーカが内蔵されています。
バブルメモリ用のソケット1個を標準装備し、2個まで拡張できます。バブルメモリ1個の容量は32KByteです。このメモリには、フロッピーディスク用の命令を使ってアクセスします。フロッピーディスクよりも容量は少ないのですが、アクセス速度が当時のフロッピーディスク/インタフェースと比較すると高速(約100KBaud)です。
BASICは本体起動時にバブルメモリからMicrosoft BASICを読み込みRAMに展開され、起動します。ロード時間は2秒弱だそうです。雑誌の記事には「BASICが搭載されているバブルメモリは書き換え可能なので、BASIC自体を書き換えられる」と書かれています。これが、最初から搭載されているBASIC自体も書き換えられるという意味なのか、それとも別のバブルメモリに独自のBASICを書き込んで起動する事ができるという意味なのかはわかりません。
BUBCOM80は起動時にバブルメモリ、フロッピーディスク、カセットテープの順にデバイスのチェックを行い、起動可能なシステムがあればそれを起動します。テープも自動的にロードし始めるようになっていたのか気になります。
本体と周辺機器のリスト
雑誌の時期によって周辺機器の価格にばらつきがあります。BC-821と822の違いは不明です。
BC-80S | 本体(バブルメモリホルダ×1) | 258,000円 |
BC-80D | 本体(バブルメモリホルダ×2) | 296,000円 |
BC-811 | 交換用JIS配列キートップ | 6,800円 |
BC-812 | 交換用実用配列キートップ | 6,800円 |
BC-813 | 交換用英語国向けキートップ | 6,800円 |
BC-818 | グラフィック文字シール | 500円 |
BC-821 | バブルホルダ | 84,800円 |
BC-822 | バブルホルダ(増設用) | 38,000円 |
BC-823 | 32KBバブルカセット | 29,800円 |
BC-828 | バブルホルダ部化粧板 | 500円 |
BC-831 | コンソール型グリーンディスプレイ | 68,000円 |
BC-832 | コンソール型カラーディスプレイ | 238,000円 |
BC-833 | グリーンディスプレイ+拡張BOX | 114,800(136000?)円 |
BC-834 | カラーディスプレイ+拡張BOX | 256,000(306000?)円 |
BC-841 | 外置型拡張ボックス | 98,000円 |
BC-842 | 高解像グラフィックボード | 98,000円 |
BC-843 | IEEE-488ボード | 価格不明 |
BC-844 | 同期式回線制御ボード | 98,000円 |
BC-845 | フロッピーコントローラ | 78,000(128000?)円 |
BC-848 | 組込型拡張ボックス | 68,000円 |
BC-849 | DIYボード | 価格不明 |
BC-861 | コンパクトプリンタ | 80,500円 |
BC-862 | パーソナルプリンタ | 158,000円 |
BC-863 | ビジネスプリンタ | 208,000円 |
BC-881 | デュアル標準フロッピー | 398,000円 |
BC-882 | シングル標準フロッピー | 228,000(298000?)円 |
BC-884 | フロッピー結合ケーブル(2台目以降用) | 16,000円 |
BC-888 | フロッピーディスク | 2,800円 |
BC-892 | ロール式アイテムキー | 価格不明 |
BC-893 | ジョイスティック | 4,800円 |
BC-894 | ライトペン | 60,000円 |
ACTAM330MIII | 音響カプラ | 150,000円 |
WX-4675 | マルチペン・マイプロット | 270,000円 |
WX-4637 | 高速型パーソナル・プロッタ | 870,000円 |
WikipediaやBUBCOM80 補完ページには、バブルメモリホルダを搭載していないモデルの価格が書かれていますが、雑誌記事や広告には、そのようなモデルがリストに掲載されていなかったので、別の資料を探したいところです。→[追記]ROM版のBASIC(64KByte)を内蔵したBC-80RSとBC-80RNの広告を見せてもらいました。値段等はBUBCOM80 補完ページの通りですね。
[さらに追記] ROM版については別の広告がありました。