CONCERTO-68k

 今ではPDAなどや組み込み用のブラウザNetFrontで有名なアクセスの製品である、MS-DOSエンジンです。MS-DOSエンジンとは、拡張スロットにDOSが動くワンボードマイコンを入れてDOSコマンドを実行させようというもので、DOSエミュレータとかいうものではありません。ボードにはRAMが512KB積まれていて、十分立派なDOSマシンとして動かせそうなスペックなのですが、実際にはDOSそのものを搭載しているわけではないようで、多分互換環境がX68kから送り込まれるようになっているのでしょう。
 雑誌ではかなり長い間宣伝していたので一度使ってみたいとは思っていたのですが、またけっこう高い商品だったので手の出ようはずもありませんでした。それが、ある時ソフマップの中古のコーナーにこれが並んでいるのを発見し、3万円ほどの値がついていたように記憶していますが、思い切って買ってしまいました。
 当時MS-DOSマシンといえば手近なところでPC-9801ぐらいしかありませんでしたが、当然一太郎とか有名なソフトが動くわけはなくて、標準入出力とか標準エスケープシーケンスばかりを用いた汎用DOSプログラムしか使えませんでした。もう何を使っていたのか忘れてしまいましたが、pkzipとかX68kにはあまり縁のないアーカイバで作られた圧縮ファイルを取り扱うのに使ったような気がします。速度は速くありませんでしたが、それなりに使いでのあったオプションでした。

 ボードは見ての通りスロットに収まらない形状をしていて、はみ出る分は真鍮のカバーで覆われています。それを取り去るとCPUのV30と8087ソケットが見えます(8087取り付け時以外にはカバーを取り外す必要はないんですけど)。右下には8259互換のVシリーズチップ、μPD71059もあります。また右の基板の端には拡張バスらしきパターンがありますが、特にこれを使った拡張機器は発売されませんでした。

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