X1シリーズ用純正漢字ROM。拡張I/OボックスのCZ-81EBを買ったら、中に入っていました。X1turboではX1用のソフトが全て動くとはいっても、内蔵する漢字ROMがこの漢字ROMボードと互換があるわけでなく、実際にはこのボードが必要です。
これの元はアイ・オーデータ機器のPIO-3055で、回路もほとんど変わりません。これに気づいたきっかけがなんだったか忘れましたが、I/O誌にPC-8001とプリンタでワープロを作るのにPIO-3055を流用した記事があって、そこに掲載されていた回路図とCZ-8KRをテスタであたりながら比べ、確信を得るに至りました。PIO-3055のユーザ用ソケットは、元々外字を収めておいたりカナ漢字変換ROMを入れるところなのですが(CZ-8KRでもHuWPだったかでそのROMが付属しているそうです)、回路図をよく見ると書き込み線まで配線されているんですよね。SRAMやEEPROMの端子配列と比べてみてもぴったりで、いかにも挿してくれと言わんばかり。
で、関東出張の折に秋葉原まで足を伸ばしラジオデパートにて6264を4つ買い、ソケットに入れてみました。漢字"ROM"ボードなんで資料を見ても書き込めるとはないんですが、でも実際にやってみるとうまく書けるんですねぇ。これを何に使ったかというと、S-OSの特殊ワークエリアに充てました。特殊ワークエリアというのは本体メモリを壊さずにアセンブル時のラベルテーブルなど一時メモリを使用するためのもので、標準状態だとグラフィックRAMがその目的に使われています。しかしいわゆる「RUN&SUBMIT」でRAMディスクが使われるようになり、EMMがない場合はそれがMEM、つまりグラフィックRAMにRAMディスクを設けるものだから、特殊ワークエリアとぶつかってよくRAMディスクの内容が壊れたのです。そこで特殊ワークエリアをこのボードに逃がしてやることで、うまく共存できるようになりました(RAMディスクはROM
BIOSにサブルーチンがあったので、逃がすわけにはいかなかったのです)。
|