MZ-80C
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実はこの機械を改造して、X1turboばりの日本語表示ができてなおかつ今までのソフトは基本的に全部動くという代物に仕立てようという目論見があったのですけど、横浜異動中は遠距離にあって検討が進まず、戻ってからは「あまり無茶な改造は貴重な実機を損傷させてしまうことだから控えたいな」という思想に変わったこともあって頓挫してしまいました。X1用の拡張I/Oボックスを使い、X1用のFDD I/Fを流用して2Dをつなげようとしていたのですけど、ブートROMの読み出しで化けたようでしょっちゅう暴走し、対策が打てないままになっちゃいました。一応FDDへのアクセスは成功したんですが…。
MZ-80CもMZ-80Kのように発売時期によって前期と後期に分けることができます。80Cの場合はさすがにハード的な仕様が異なるというわけではなく、添付品…特にBASICのバージョンが違うとかいうことになるわけですが。
その説明のために、様々な情報の集中するのが取扱説明書です。前期と後期ではその内容に大きな差が見られます。それらを比較してみましょう。
まずは冊子としての諸元から。
ページ 前期 後期 表紙 判型 A4 B5 ページ数 21 28 日付 550215 550601
前期は、BASICマニュアルと同じ大きさであったものが、後期で後の他の取説と同じサイズに縮小されています。表紙デザインもその後20年くらいにわたって使われた統一のものになっていますので、後期仕様に改められるまでにこのデザインが制定されたか、もしくはすでにあった統一デザインに合わせたというところではないかと思われます。
次はマニュアルの内容について。
ページ 表題 内容 1 はじめに 基本的なコメントと取扱説明書の役割について 2 MZ-80Cのメモリマップ メモリマップの簡単な説明 3 キーボードの使い方
(音声ボリューム、リセットスイッチの使い方)タイプライタフェースに変わったキーボードの説明、
音声ボリュームとリセットスイッチの場所と使用上の注意点について5 BASIC SP-5020コマンド一覧 バージョンの上がったBASICの命令一覧 13 拡張システムの展望 周辺機器と合わせたブロック図(昭和54年10月1日現在) 16 各システムプログラムの構成 発売予定(?)のシステムプログラムの紹介 18 取り扱い上のご注意 電化製品に一般的な注意事項 20 保証とアフターサービスについて 保証事項の説明、仕様表
ページ 表題 内容 2 はじめに 基本的なコメントと取扱説明書の役割について 3 MZ-80C 仕様一覧 仕様表と付属品について 3 メモリマップ メモリマップの簡単な説明 4 本体各部の名称 外観写真と各部の名称、キャビネットの開け方 5 本体内部の配置と名称 キャビネットを開けた写真と内部パーツの名称、部品配置外観 6 キーボードの使い方 タイプライタフェースに変わったキーボードの説明 7 リセットスイッチの使い方 リセットスイッチの場所と使用上の注意点について 8 出力端子の説明 背面の端子配列の説明 9 CPUまわりの回路 回路図からの抜き書きとリセットについて 10 モニタコマンド モニタコマンドの説明、モニタのワークエリアの説明 11 モニタサブルーチンの使い方 モニタサブルーチン一覧と機能説明 14 アスキーコード表 アスキーコードにもとづくキャラクタ一覧 15 ディスプレイコード表 ディスプレイコードにもとづくキャラクタ一覧 16 割り込みを使用する上での注意 MZ-80Cで使用できる割り込みの説明 17 メモリマップドI/Oの考え方 8255、8253の機能説明 20 拡張システムの展望 周辺機器と合わせたブロック図(昭和55年6月1日現在)、周辺機器の紹介 23 各システムプログラムの構成 未発売システムプログラムを含むブロック図、各ソフトの紹介 26 取り扱い上の注意 電化製品に一般的な注意事項 28 保証とアフターサービスについて 保証事項の説明
この内容の違いを生んだ最大の要因は、先にも述べたBASICのバージョンの変化によるものです。前期に添付されていたのはSP-5020で、「BASIC解説」がSP-5001用であった(=MZ-80K用そのものであった)ことから、改めて仕様を説明するページが設けられています。
それが後期ではどうかというと、BASIC命令の説明はばっさりカットされ、代わりにモニタの説明が掲載されています。これは添付BASICがSP-5030に変わると同時に「BASIC解説」もSP-5030用に改められたため、取説で説明する必要がなくなったからでしょう。代わりに、ユーザーの使用環境の変化を受けたかモニタとモニタサブルーチン、I/Oの解説が加わっています。システムプログラムやFDOSのマニュアルに掲載されるような内容ですが、雑誌やサードパーティーからアセンブラが提供されてきた頃ですから、別売ソフトに依存せずに情報提供することを考えたのかもしれません。