SDI88は、PC-8801シリーズ向けのディスク操作を核としたツールです。2021/05/23公開のVer.2.0で従来のディスクアクセス機能に加え、他ツールの起動機能やカレンダ時計(RTC)のメンテナンス機能を加え、「2020年代にPC-8801実機を使うユーザ」に適したツールへと大きく進化しました。
PC-8801シリーズの二次記憶は5.25インチ2Dフロッピーディスクが主流です。しかし5.25インチ2Dメディアの製造が終了してから相当な年月が経過し、かつ5.25インチ2HDメディアでは代替することができないため、いまやメディアそのものが貴重品となりつつあります。このためFDX68などのフロッピーディスクドライブを代替するシステムを使っているユーザも多い様で、私もその一人です。
FDX68はメディア入手性の限られたフロッピーディスクドライブの代用となるだけでなく、プロテクトをそのまま保存できるRAWモードや、実フロッピーディスクからの読み出し(ダンプ)・実フロッピーディスクへの書き込み(リストア)といった機能を備える非常に優れたシステムです。
私はFDX68と、以下のハードウェア・ソフトウェアを組み合わせて活用しています。各々の作者の方々には深く感謝します。
ミカエルさんのFDD-DRIVE SWAPPER+ Project M.P.SさんのFB98-FDSP
GORRYさんのFDS
SDI88は上記を念頭に置きつつ、貴重な5.25インチ2D/2DD/2HDメディア資源を無駄なく活用する狙いで開発しています。
Ver.2.1(2021/12/23)→Ver.2.2(2022/12/23)のバージョンアップ項目一覧です。
2HDモード時、FDC(μPD765A)へ発行するSPECIFYコマンドの第2パラメータが誤っていた不具合を修正(LSX-Dodgersのデバッグ協力中に検出) サウンドモードIIの装着判定の際、冗長なIN命令+冗長分岐があった不具合を修正 2Dブート機能をディスクバッファリング付きに改良 カレンダ時計のデフォルト時刻を22/01/01 00:00:00に変更 将来のバージョンアップに備え、p8suiteのプログラムサイズを0x600バイト拡大 付属サンプルプログラムの動作を変更 付属ドキュメントをUTF-8テキスト形式から、Markdown経由で生成したPDF形式に変更
SDI88の特徴は以下の通りです。
PC-8801シリーズ全機種で動作 読み込み系コマンド(Read ID,Read Data,Read Diagnostic)を実装済み FDCの応答ステータスをすべて表示 RS-232C端末からの操作をフルサポート(バイナリ転送含む) 他ツール(p8suite・IPL起動版xdisk2)のインストールおよび起動機能 Ni-Cd電池除去済みの機体を対象とした、カレンダ時計の初期化・編集・リストア機能 2Dモードに加え、2DDモードおよび2HDモードのサポート(PC-8801mkIIMR、PC-8801MH/MA/MA2/MC、PC-98DO/DO+) FDCのステータスビット(ST0/ST1/ST2/ST3)の略称およびメッセージ表示機能 物理フォーマット形式を選ばない、ディスクの読み込みテスト機能 ディスクの物理フォーマット・論理フォーマット・テスト機能(2DはN88-BASIC形式、2DD/2HDはMS-DOS形式に、それぞれ準拠) PC-9801シリーズおよびX680x0シリーズの両方で起動可能なデュアルIPLを書き込み(2HDモードのみ) ブートローダ・SDI88メインそれぞれで、サウンドボードIIに対応したステレオBGM演奏(PC-8801mkIISR以降) 外部RS-232C端末から、XMODEM-SUMプロトコルでバイナリ受信したユーザプログラムの実行機能 【New】ディスクバッファリング有効状態での2Dディスクブート機能(PC-8801mkIISR店頭デモなどの起動が速くなります) ソースリストを添付することで、PC-8801向けプログラムの基本的な作り方がより理解し易いものとなる(テキスト画面表示、キーボード入力、ディスクI/O、RTCドライブ、FM音源ドライブ等)
SDI88 Ver.2.2(2022/12/23)
d88ディスクイメージ・PDFドキュメント・ソースファイル一式のセットです。
ブートローダー起動後にヘルプ表示・SDI88の起動選択を行います。SDI88が起動した後にヘルプ表示とドライブ1を選択し、SDI88ディスクのトラック0~トラック79を読み込みテストします。