P/I-XP55T2P4 / ASUSTek


CPU Type:Socket 7

Chip Set:82439HX (Triton II) + 82371SB (PIIX3) / Intel

FSB Clock:60, 66MHz

Onboard L2C:256KB + 256KB (Option:COASt Module)

RAM Module Type:72pin EDO/Fast Page Mode DRAM SIMM *4

Ext.Slot:32bit 33MHz PCI *3, ASUS Media Bus 2.0/32bit 33MHz PCI/ISA *1, ISA *3

Power Supply Type:ATX / AT

Board Form:ATX (Single Decker)

BIOS:Award Modular BIOS v4.51PG


 2001年に入って格安中古で買った1枚。

 ちなみにリビジョンは1.3で、比較的初期の製品である。

 同じIntel 430HXチップセット搭載とは言え、私が以前持っていたGA-586HX2より少し前の時期の製品である為、P55と名乗ってはいるもののCPUコアへ供給される電源は単一電圧仕様であってそのままではMMX Pentium(P55)は動作せず、しかも基板上にUSBコネクタ用のパターンが存在する(このボードはATXフォームであるが、バックパネル用コネクタが一列に並んだいわゆるSingleDeckerタイプなので、USBコネクタは背面に設けられておらず別売りUSBコネクタブラケットを接続して対処する構造になっていた)のに、何か不具合があったのか抵抗やジャンパでそのコネクタが殺してあって、他にもあちこちにジャンパ線が貼り付けてあったりと、とても名の通った大手メーカーの製品とは思えない様なひどい造りであった。

 電圧の問題は電圧降下下駄を間に介せば解決が付く(BIOS自体は複電圧仕様の後期リビジョンと共通なので、CPUそのものの自動認識はBIOSを最新版の2.07にアップデートしさえすればK6まで可能)し、USBもカードを挿せば済むとはいうものの、正直お粗末と言う他無い。

 また、このボードも同期のGA-586HX2同様にRTCが電池内蔵のDALLAS製DS12B887なのだが、あちらと異なりソケットではなく基板直付けなので電池が尽きればマザーボードの寿命も事実上お終いという、一種の使い捨て設計となっておりこれも感心できない。

 只、L2Cが256KBや0KBのモデルでもそれぞれ256KB/512KBのCOAStモジュールを挿せば増設出来る様になっている事と、430HXのアイデンティティとでも言うべき64MBオーバーの物理メモリ領域へのキャッシングを可能とするTagRAMの増設ソケットが用意されている事は、本当に大事な部分の拡張性は死守したという事で評価出来る。

 また、このメーカーの製品の常としてこの製品も頻繁なBIOS更新が実施されたが、これによって最終的に430HXで得られる実用上限に近い性能を得る事に成功しており、この二点からすればこのボードや姉妹モデルのP/I-P55T2P4(Baby AT版)が市場で人気を得た事も頷ける。

 なお、このボードにはこの時期のASUSTek製品特有のMedia Bus 2.0スロットが搭載されている。

 このバスに関しては一部で「PCIスロット後部にISAのリソースを提供するためのスロットを設けることで、PCI音源カードなどにISAとの互換性を実現するもの」等と説明されている様であるが、ボード上の配線を追って調べてみると、32bit 33MHz PCIスロットの後部に設けられた72pinソケットの正体は、単なるISAバスのサブセット(PCIから供給が可能な電源関係の線が省略されている様だ)である事が判る。

 事実、当時このバスに対応したPCI-AS2940UW等のカードではVIBRA 16という、当時ISAサウンドカードのデファクトスタンダードの座にあったCreative社製ISAバス対応サウンドチップが搭載されており、件の説明にある「PCI音源カードなどにISAとの互換性を実現するもの」という、後年のPC/PCI端子と混同した様な表現が明らかに誤りである事を物語っている。


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