MGA-98 VRAM 2MB / Matrox/住友金属


Graphic Acceralation Chip:MGA-I / Matrox

RAM:70ns Dual Port DRAM 2MB

Bus:Mate A Local Bus (32bit 25〜33MHz)

動作確認マシン:PC-9821As2/U8W


 後のMilleniumシリーズへと至るMatrox製グラフィックチップシリーズの出発点となった、MGA-Iを搭載するMate A対応Local Bus専用ボード。

 添付のWindows 3.1用ユーティリティ等を見るとMatroxが自社製各種カード用に提供しているAT版と殆ど同一仕様となっており、あるいはMatrox自身の手によって直接(基板の再設計を含む)98ローカライズ作業が行われた可能性がある。

 当時のチップには珍しく3D対応(といっても独自ドライバによるDOS版AutoCADへの対応が目玉、といった程度の物だった様だが)で、搭載VRAM容量やZバッファ用DRAM容量(最上位はVRAM 3MB + DRAM 2MB)の相違によるバリエーションが用意されていた。

 私が入手したのはその内の最下位モデル(VRAM 2MBのみ)であったが、流石にMilleniumの直系の先祖だけあってGDI描画は破格なまでに高速、しかもあのMGA系特有の硬質且つシャープな画質で、Windows 9x対応のドライバさえあれば恐らく今でも充分使えるボードであったと考えられる。

 ただ、残念な事に国内販売を担当した住友金属は、ある時期以降グラフィックカードの取り扱いから撤退してしまったらしく、遂にこのボード向けのWindows 9x/NT用ドライバは作成・配布されなかった。

 噂によれば、実力のある個人が自力でDirect X対応のドライバを移植した、との話もあるが真相は定かではない。

 但し、そういった多分に願望を含んだ噂が出る程度に優れたボードであったのは事実であり、正規でWindwos 9x/NT対応ドライバが配布されなかったのが惜しまれる。

 ちなみに、OS側でドライバの抽象化が行われるWindows NTについては、AT互換機用のMGA-Iドライバでも一応動くらしい(無論、AT互換機版でサポートされていないヴィデオ信号切り替えリレーは動作しないので、2系統入力のあるCRTでの利用が必須となるが)という話はある。

 なお、NECが純正採用したMGA-II(PC-9821A-E11等に搭載)はこれのバリエーションとでもいうべきチップで、実質的に使う機会の少ない3D機能の省略とそれに伴うZバッファDRAMの廃止、VRAM上限の4MB化等が行われた以外のコア機能はほぼ同等である。


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