HotRod 100 PRO / ABIT
インターフェイス:Ultra ATA/100 (40pin 100MB/s) * 2 Channel
転送モード:Bus Master
Bus:PCI Rev.2.1 (32bit 33MHz 5V)
ATAコントローラ:HTP370 / HighPoint
対応機種:PC/AT互換機
動作確認マザーボード:GA-586HX2
昨今流行のUltra ATA/100インターフェイス対応コントローラ搭載PCIカードである。
この種のカードでは、先鞭を付けたPromise Technology社のFastTrakに習ってBIOSにソフトウェアRAID機能を付加する製品が多いが、この製品もその例に漏れずHighPoint社製ソフトウェアRAID(RAID 0/1/0+1)対応BIOSが搭載されていて、Ultra ATA/66以上では必須の80ピン高密度フラットケーブルも2本添付されるなど、RAIDでの使用を重視したパッケージングとなっている。
但し、単純にUltra ATA/100インターフェイスカードとして利用する事も可能(もっとも、ATAPI対応機器の接続はサポートされていない)であって筆者自身はS1837UANG Thunderboltに挿してその様な使い方をするつもりで購入したのだが、実はこのカード(恐らくは同じHPT370コントローラを搭載し、HighPoint社純正RAID対応BIOSを搭載するカードも同様であろう)には、American Megatrends Inc.製BIOS、つまり世間でAMI BIOSと呼ばれる系統のBIOSを搭載するマザーボードでは、カード側のRAID対応BIOSが正しく認識されない可能性が高い、という問題があって、結局満足に利用出来ないままに転売を余儀なくされた。
これは、AMI BIOSを搭載するThunderboltで認識されなかった為に、同じくAMI BIOS搭載のSUPER PIIIDMEに挿してみたところ、こちらでもカード搭載のRAID対応BIOSが認識されず、最後の手段として旧式なGA-586HX2(Award BIOS搭載)に挿してみたところあっさり起動した事で確認された症状で、他に幾つかのAward BIOS搭載マザーボード(それぞれ異なったメーカー、異なったチップセット搭載のマザーボードで確認した)でも起動が確認出来た事と、HighPoint社のサイトで当時提供されていた最新ファームウェアへ書き替えても症状が変わらなかった事、そしてWindowsのPnPからはチップの存在自体は認識されている事などから、マザーボード側BIOSの相性の問題と判断された。
よって、筆者にはこのカードをまともに動作させる機会が得られなかったので、このカードの性能、それにBIOSやドライバの使い勝手や完成度については語るべき言葉がない。
思えばABIT社のマザーボードはAward BIOS一辺倒であり、この場合その同社が自社製品ラインナップに存在しないAMI BIOS搭載マザーボードでの動作確認を怠った事のみを責める訳にも行くまい。
安価さの割に、パッケージングや製品それそのものの出来には不満がなかっただけに、使えなかった事は非常に残念である。
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