PC-9821A-E10 / NEC
インターフェイス:SCSI-2 (50pin SE 10MB/s)
転送モード:DMA/FIFO
Bus:C Bus (16bit)
コントローラ:WD33C93BJM / Western Digital + 148714-002 SAGAT 777 / NEC
対応機種:SCSIスロット搭載PC-9800シリーズ (PC-9801F?,PC-9821A?,etc.)
動作確認マシン:PC-9821As2/U8W
1993年1月に初代Mate Aと同時に発売されたNEC純正のSCSIスロット専用SCSIボード。
Cバス汎用の純正製品ではPC-9801-92に相当する、PC-98では第3世代に当たる機能を備えたSCSIボードである。
つまりこれは、かの悪名高き55チェックが撤廃されて以降にNECによって制定された新HDパラメータ対応のインターフェイスボードであり、それ故NT4.0を含むPC-9800シリーズ対応OSの殆ど(流石に搭載可能機種でのCPUスペックが不足するのが明白なWindows 2000ではサポートされない様だが)でサポートされている。
この頃のNECは98MULTi向けを中心に何やかやと機種限定の拡張ボードを連発していたが、当時本当の意味で歓迎されたのは貴重な汎用拡張スロットを節約出来るこれ位の物だったかも知れない。
これは当然Mate Aに移行した時に、あの時期のNEC製品固有の装備である”ファイルスロット”へSCSIデバイス(当時はCD-ROMかHDDを考えていた)を入れる事を念頭に置いて中古で購入した物だが、私がAs2をメインマシンとして使用していた約1年の間には残念ながらその機会は訪れなかった。
その意味では無駄に終わった訳だが、このカードは機種限定という事でBIOSのチューンが追い込まれていたのか、同一条件で比較した場合明らかにPC-9801-92を上回る性能を発揮する(それも共用ドライバではなく、専用BIOSに依存するDOSで速い)事が判明していたから、Windows 95/NTでFIFO動作する純正ドライバが存在している事を含め、全く何のメリットもないボードだという訳でもなかった。
実際これは非常に素直な特性のボードであって、これを挿している間中SCSIインターフェイスに関わるトラブルが発生しなかったのであるから、ある意味純正拡張ボードのお手本の様な製品ではあった。
もっともこのE10、Mate AでファイルスロットにSCSIデバイスを入れている(あるいはHDスロットにSCSI籠を入れている)ユーザーによって、より高速なCバスSCSIボードを利用する為にBIOSを殺していわゆる「パス・スルー」目的で使われる事が多いらしい。
このボードもSCSI-2ではなく、68と同様電気的にはSCSI-1準拠で動作がSCSI-2並のCCS(Common Command Set:共通コマンドセット)対応品であるのだが、PC-98版OS/2では厳密にSCSI-1デバイスであるとしていて、このボードを用いる場合にはCD-ROMドライブもSCSI-1仕様の物を接続する様にと但し書きがなされている。
一体何がどう違うのか定かではないが、この対応なのか一部の古いNEC製CD-ROMドライブにはSCSI-1/2対応切り替えスイッチが存在していて、これが間違っているとOS/2のインストールが出来なかったりしたのは事実である。
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