京阪電鉄1000系(改修車)


 陳腐化対策として各系列に対して実施された改修工事の施工済み編成による、準急樟葉行きである。

 この1504を先頭とする第4編成は1990年に施工された1000系改修工事の第1号編成である。

 御覧の通りオリジナルとは前面デザインがかなり変化してしまっているが、これは乗務員の居住性改善を目的に運転台部分が車体延長で拡大された上に、それに合わせてこれまで平面だった正面部が三つ折りの面構成に変更された(どちらかと言えば既存の運転台部を切り落として新設計の運転台を取り付けた、と言う方が正しい)為で、2200/2400系車体改修車に準じた貫通扉や灯具類の仕様変更もあって、最早オリジナルとは全く別の車両に見える様になってしまっている。

 灯具と言えばヘッドライトが700系時代から引き継いだ白熱電球用の大型灯具に小さなシールドビーム球を収めたタイプの物を捨てて新しいタイプの埋め込み式シールドビームとなっているが、これは旧特急車で1810系に由来する車と新規新製車が混在していた1900系の改修工事に際して、只1輛だけ先頭車として残った1810系格上げ車である1914を1900系新製車と類似の正面デザインに改修した際に用いたのと共通のパーツを用いている。

 また、この改修工事は車体のみならず主要機器についても徹底的に行われ、これまで電動車が1輛で機能的に完結するいわゆる1C4M構成による1M方式であったのを、新型の添加励磁制御器導入に合わせて他の各系列と同様の1C8M構成によるMM'方式の2輛ユニット方式に変更し、その必要性からこれまで各電動車が離ればなれに連結されていた編成を電動車が2両単位で集中する構成に組み替えるという、電装品に関わる大規模な改造工事が実施された他、ブレーキの改良、冷房装置の交換(6000系が冷房装置を強化した際に取り外した物の改造品に交換して冷凍能力を大幅に強化)等が実施されていて、他系列の改修工事と比較してもかなり大規模な、文字通り面目を一新する大工事となった。

 実際、この工事で手を入れなかったのは、今更特別に改良の余地も必要性も無い、台車位のものではなかろうか。

 車体製造後からだと30年近く、代替新造からでも20年近い車にここまで徹底的に手を入れるという事は、当系列の果たしてきた役割について京阪電鉄が充分満足しており、今後も新車で置き換えたりせずに長く使用してゆく意向がある事の現れであると考えられる。

 察するに、運転する側にとっても保守する側にとっても余程素直で扱い易い車なのだろう。


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