岡軌式(石津式)パンタグラフ
撮影:1994年10月(車庫内の物は許可を得て撮影)
岡山電気軌道第六代社長石津龍輔氏によって考案され、1951年以来半世紀近くに渡って愛用され続けているパンタグラフである。
これは上昇に空気圧やバネを用いず、下部に組み込まれた錘の重力による下降を梃子の原理で利用するという非常に単純明快且つ手入れが簡単なパンタグラフで、ゆらゆら揺れる小さなその姿は岡山電軌のシンボルである。
もっとも、ゆらゆら揺れるという事は高速走行には不向きであるという事でもあって、実際柳川−城下間の直線区間を飛ばしていると離線して車内灯が消えてしまう(7000以降は補助電源がSIVで特に離線対策は採られていない様なので離線=停電となってしまう)事が度々ある。
94年夏の猛暑の時の冷房能力不足も実は離線に伴うクーラー停止/再起動のシーケンスが頻繁に起きた事が原因なのだそうで、その意味でこのパンタグラフには限界が見え始めている。
やはりここは追従性の良好な新世代のZパンタやシングルアーム式パンタに切り替えてゆくのが得策ではなかろうか?
無論、この特徴的なパンタグラフに対する愛着はあるのだが・・・。
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