GIMONS DEVELOPER WORKS/Internal FDD ID Changer

最終更新:2024/1/8

内蔵FDD ID切替え機構(X68000 ACE/EXPERT/SUPER/XVI)
- Internal FDD ID Changer for X68000 ACE/EXPERT/SUPER/XVI -
- MarsX -

内蔵FDD ID切替え機構 とは

X68000 XVI Compact及びX68030 Compactに標準装備されている内蔵FDDのID切替え機能を X68000 ACE/EXPERT/SUPER/XVIで実現するためのものです。


FDX68を取り付けるのに内蔵FDDのIDを変えるのが面倒くさい問題

拙作のFDX68は内蔵FDDを代替できるように開発しましたが実FDDも時折使用したいとなると、 毎回FDDを取り出してIDを切り替えないといけないという問題があります。

既にFDS/FDS+というX68000の内蔵FDDと拡張FDDのIDを相互に入れ替える同人ハードがあり、 その問題は解決されていますが、その入手性はそれほど高くないため私のように複数の X68000を所有していると全てにFDS/FDS+を搭載するのは現実的ではありません。

FDS/FDS+の様な高機能のプロダクトも良いですが、個人的にはもっとシンプルにCompact系 と同じく「単純に内蔵FDDのIDを切替える機能」が欲しいという動機がありました。

Compactの背面にあるID切替えスイッチ


Dサブコネクタの専用ケーブルを作るのが面倒くさい問題

X68000の拡張FDDのコネクタは37ピンDサブですのでFDX68とつなぐには接続ケーブルを 作成する必要があります。もちろん37ピンDサブとMILコネクタの変換を行う基板等で 実現する方法もありますがいずれにせよ面倒くさいという問題があります。

しかもX68000 XVI CompactやX68030およびCompactの拡張FDDのコネクタはこれまた 特殊なものでもはや嫌がらせとしか思えないです(今回の内蔵FDD ID切替え機構では 対象としない機種ですが)。

ここはFDS/FDS+のアイデアにリスペクト(パクッっています)して直接フラットケーブル を接続できるMILコネクタに変更したいと考えました。


内蔵FDD ID切替え機構

要はFDS/FDS+と同じく拡張FDD I/F基板をそのまま置き換えてしまうものです。

但し、設計においては徹底的にシンプルとローコストに拘りました。まず電源不要で物理スイッチで配線を入れ替えます。 したがって組み込みには特に難しいことや設定は全く不要で基板を入れ替えるだけです。

CIRCUIT


キットの内容

内蔵FDD ID切替え機構は当初からキット頒布を前提として設計(というほどの物ではないですが)しました。 内容物は以下の通りです。

部品 個数 内容
フラットケーブル 2 コントロールボードとの接続用とFDX68との接続用
L字ボックスヘッダ 1 外部I/F用のコネクタ/td>
ボックスヘッダ 1 コントロールボードとの接続I/F/td>
ロック付きボックスヘッダ 1 内蔵FDDとの接続I/F
プッシュスイッチ 1 内蔵FDDのIDを手動切り替えするためのスイッチ
スペーサー 2 基板組み込み時の高さ合わせ用スペーサ
ID切替え機構の基板 1 基板そのものです


キットの組み立て(はんだ付け)

写真を見れば誰でも分かるようなシンプルなものなのでコネクタの方向だけ注意点を記述。

外付けFDD I/FのコネクタとコントロールボードのI/Fのコネクタの切り欠きはこの方向です。

内蔵FDD I/Fのコネクタの切り欠きは手前に来ます。

プッシュスイッチを付けて完成。

スペーサーは裏面に適当な接着剤等で付けます。


FDD I/F基板の入れ替え

ACE/EXPERT/SUPER/XVIのそれぞれで異なると思いますが概ねSASI I/FもしくはSCSI I/Fの ボードと重なって取付けされていると思いますので分解して外します。

分解して左上の基板がFDD I/Fと入れ替えを行います。

入れ替えして組み直した状態です(わかりずらいですね)。


本体への組み込み

入れ替え後のFDD I/F基板を本体に戻して内蔵FDD I/F(ロック付きボックスヘッダ)に元のコネクタを接続します。

真ん中のノーマルなボックスヘッダには付属のフラットケーブルを接続してください。

内蔵FDDからコントロールボードに接続されていたコネクタは外しておいてください。 このような状態になっているはずです。

この後フラットケーブルのもう片方のコネクタは本体のコントロールボードに接続するのですが、 本体側のボックスヘッダがショートロックなのでフラットケーブルのストレインリリーフを 破壊して外してください(うまくやれば破壊せずにはずせるかも)。

コントロールボードに加工したコネクタを接続してください。元のケーブルと重なりあっていますが蓋はちゃんとしまります。

SASIやSCSIのケーブル等を戻して終了です。

背面からはこのように見えているはずです。


使い方

プッシュスイッチを押し込む(オン)すると内蔵FDDのIDが0と1の組み合わせから2,3に変更されます。 この時拡張FDDのIDは何も変更しません。あくまで「内蔵FDDのIDを切替える」ことのみを実現します。

内蔵FDDをID0,1で使用する時

プッシュスイッチはオフにしてください。またFDX68をID0,1で設定している場合(通常使用)は、 fddemuを停止してださい。内蔵FDDのみで運用できます。 FDX68をID2,3に設定しfddemuを起動すると内蔵FDDは0,1、拡張FDD(FDX68)はID2,3の4ドライブで 運用できますが、おそらくこのニーズは少ないでしょう。

拡張FDD(FDX68)をID0,1で使用する時

プッシュスイッチはオンにしてください。FDX68をID0,1で設定している場合(通常使用)は fddemuを起動すると拡張FDD(FDX68)はID0,1、内蔵FDDはID2,3の4ドライブ構成で運用できます。

拡張FDD(FDX68)から内蔵FDDをダンプ及びリストアしたい時

プッシュスイッチはオフにしてください。またFDX68もID0,1(通常使用)で設定してください。 この状態で内蔵FDDと拡張FDDが両方ともID0,1になりますので拡張FDDに接続したFDX68から 内蔵FDDに対してダンプ、リストアが可能になります。あくまでダンプ、リストアを行う時 の特殊構成です。

まとめ

FDX68を運用するにはこの内蔵FDD ID切替え機構で十分だとおもいます。

もちろんFDS/FDS+は高機能ですし大変便利なものです。また初代やPRO、X68030等もサポート しており完成形です。

あくまで内蔵FDD ID切替え機構は簡易的にFDX68を接続するためのものだとお考え下さい。

キットの頒布(BASEのショップページにリンク)

BASEショップにてキットを有償頒布中です。

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