SM-B-80TE
SM-B-80Tの改良型にあたるマイコンボードです。スタイル的にはTK-80なんかとそっくりになりましたね。定価も85000円→39800円と大幅に下がっています。 |
|
|
|
|
|
|
|
出品されたSM-B-80TEはRAMやZ80PIO、コネクタが増設されていてメーカー設計状態では最大に拡張されています。ユーザー用拡張エリア(テンキーのすぐ左の空きエリア)も使われていませんし、非常にきれいな状態で保存されていたようです。そーいやTK-80などと比べてこの拡張エリアって狭いように思うんですが、ここで何か回路を作るよりは拡張ボードをつないでそちらにいろいろ作るのが一般的という考え方なのでしょうか。 シャープの部品事業部が出した製品という事で、同じ部署の設計によると思われるMZ-80Kとのハードウェアの共通性はどの程度かと思っていたのですが、マニュアル等を見てみるとやっぱりほとんど共通ではないですね。当たり前といえば当たり前なんですが。例えば、基板左下にあるミニジャックはカセットI/Fなのですが、シャープPWMではなくFSKなのです。さらにZ80PIOのアドレスもMZ-80B/2000などとは違います。 さて、これで何して遊びましょうか。純正のユニバーサルボード(LH-8H05)も入手しましたしね。NE2000互換ボードでもつないで、ネットワークに参加させてしまうというのが一番バカバカしくて面白そうなんですけどね…。 |
スペック
CPU | Z-80 CPU(LH-0080) 8ビット並列処理 クロック:2.4576MHz(4.9152MHz 水晶使用) |
ROM | 24ピンICソケットを2個実装し、2716または2732タイプのROM2個実装可能。 (2716/2732の切り替えはジャンパ線により行う。) ・2716タイプROM実装で最大4Kバイト ・2732タイプROM実装で最大8Kバイト モニタ・プログラム 2Kバイト実装(2716相当品×1個) |
RAM | 2Kバイト・スタティックRAM1個実装 ・モニタ・プログラム使用領域 0700H〜07FFH ・ユーザ・プログラム使用領域 0000H〜06FFH ユーザ用として、さらに2Kバイト拡張可能(最大4Kバイト) |
入出力ポート | Z-80PIO(LH-0081) 1個実装 ・7セグメントLED表示用、キーボード・インターフェイス、カセット・インターフェイスに使用 ユーザ用として、Z-80PIOをさらに1個拡張可能 (8ビット×2ポート拡張可能) |
カセット・インター フェイス |
市販オーディオカセットと接続可能 ・入出力端子 Mic端子/外部スピーカ端子 ・転送速度 1200ビット/秒 |
入力装置 | データキー、ファンクション・キーによる入力(全25キー) |
出力装置 | 7セグメントLEDによりアドレス、データの16進表示 ・アドレス表示 4桁 ・データ表示 2桁×2 |
コネクタ | 100ピン・バスライン用カードエッジ・コネクタ ・データ・バス、アドレス・バス、制御バス 26ピン、入出力ポート拡張用コネクタ(コネクタはオプション) ・8ビット×2ポート、ハンドシェイク制御線×4 |
ケーブル | φ3.5 プラグ付きテープレコーダ接続用ケーブル |
電 源 | +5V±5% MAX. 2A |
動作温度 | 0℃〜40℃ |
外形寸法 | 270mm×190mm |
背景
Z80の採用が増えるにつれて生産量が増し、周辺LSIも含めて単価が下がってきました。SM-B-80Tも使用している部品の価格が下がることで、もっと安く作れる可能性が出てきました。さらにはあまり使用しない機能を省いたり回路の見直しをすることでコンパクトにできることがわかってきました。そこで時代や市場に合わせて再設計されたのがSM-B-80TEです。
価格は半額以下に設定され、組み込みにも使用できるコンセプトは廃止されてトレーニング専用になりました。他社のワンボードマイコン製品を見習い、空いたスペースにユニバーサルボードのような蛇の目パターンを用意して、ごく簡単な拡張なら別売りのユニバーサルボードを使わなくてもよいようになりました。同様の見直しはSM-B-80Dに及び、新たにSM-B-80DEとしてラインナップに並びました。
開発環境としてはFDOSを中心にICEなどをサポートするSM-D-8000シリーズ、Z8001CPUを使ってまとめあげられたSM-D-8100が発売されました。
しかし、これ以降はZ80に関するトレーニングボードは開発されませんでした。Z80を使用したパソコンやボード、書籍が溢れてもはやメーカーが主導してユーザーを教育しなくても勝手にユーザー数が増えていったからです。CPUの普及を促すためのトレーニングボードという位置付けは他社においてもマイコン技術者が増えた状況では重要でなくなり、学生などの教育目的以外でのトレーニングボードは作られなくなりました。現在はせいぜい評価用ボードを提供するぐらいでしょう。