CE-100B
(磁気バブルメモリ)

 現代はSDカードやUSBメモリなどリムーバブルメディア全盛の時代ですが、そういうディスクよりも速くて小型の不揮発性記憶デバイスの探求は今に始まったことではなく、すでに1980年代初頭からそういった製品が存在していました。それがここで紹介する「磁気バブルメモリ」です。システムズフォーミュレート社が開発・発売したBUBCOM80で市場に認知され、富士通のFM-8で一般のホビーストにまで知られるようになりましたが、価格が高く知名度ほどは普及しませんでした。

 富士通がFM-8からバブルメモリホルダを取り去ったFM-7を発売した頃、シャープは新しいジャンル「ポータブルコンピュータ」PC-5000の記憶デバイスとして磁気バブルメモリを採用しました。すでに別のメーカーが捨てたデバイスを、わざわざ採用するところに微妙なものを感じたのは偽らざる当時の心境ですが…。

 空メディアの、内容物一覧。
 ラベルには使用上の注意が書かれています。端子に触るな、磁石を近づけるな、高温低温で使うな、落とすな、と一通りありますね。
 カートリッジ本体の下にあるのはライトプロテクトシールです。
 本体側面に黒くなっているところがありまして、ここに上の銀色のシールを貼ることでライトプロテクトとなるようになっています。多分光を当てて反射を見ているんでしょう。
 単なる記録メディアとしてだけでなく、パッケージソフトとしてプログラム入りのバブルメモリも発売されました。これは、PC-5000が記録メディアを外付けするしかない構造であるがために、単体で持ち運んで使用するための手段として考えられたものなのでしょう。
 右は日本語ワードプロセッサ、画面の広さからパーソナルワープロの中級機程度の使い勝手ではないかと思いますが…。
 左はTOOLPLAN、「表計算簡易ソフト」と銘打たれてますね。
 こちらはケース。ミニDVカセットより一回り大きいくらいでしょうか?開け方が独特なので、開けた状態で固定してくれず、やむなく横倒しで撮影。
 中を取り出してみました。大きな銀色の四角いものがバブルメモリそのものだと思いますが、シリアル番号こそあれど、デバイスとしての型番が書いてある雰囲気がないですね。
 それに、何か呪文のように書かれているアルファベットや数字、そしてドットが何を意味しているのかさっぱり不明です。ハードディスクでいうところの、ディフェクトリストでしょうかね?

 基板にあるLSIと基板の文字から、まるごと日立製であると考えられます。
 磁気に弱いデバイスであることからか、ケース内部に防磁シールドらしき板が貼り付けられています。
 カートリッジのコネクタ。わりと普通に、リボン形の端子が並んでいますね。写真ではわかりにくいですが、誤挿入防止のため端子のところの穴が横長の台形になっています。

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