CE-125

 PC-1250/1251と同時に発売された、本体と一体化して使用するマイクロカセット・感熱プリンタです。本体も手帳サイズなら、これと一体化してもA5サイズという小ささ。小ささにこだわったPC-1250/1251にふさわしいオプションと言えましょう。

 これは中古で入手したもので、これだけ欲しかったのですが、PC-1250とセットになっていてしかたなくその状態で買うことになったという経緯があります。
 マイクロカセット部のアップ。マイクロカセットには2倍モードがあるんですが、CE-125では使えません。でも買ったテープにはその表示があったので、もったいないような気分で使っていました。ただまぁ、誰に見せてもマイクロカセットはびっくりされますよね。けっこう留守番電話で使われてましたから知ってる人も多いと思うんですが…。ちなみに、比べてみるとわかりますがマイクロカセットと普通のコンパクトカセットのテープの幅は同じなんですよね。

 右下に見える「REMOTE」は、ポケコン本体によるリモート機能を受け付けるか否かの切り替えスイッチです。これをONにしておくとイジェクト以外のボタン操作ができなくなります。CSAVE/CLOAD命令を実行することでテープが動作します。
 右側面にあるACアダプタと外部入力端子です。この外部入力端子、PC-1210/1211で記録されたテープからプログラムなどを取り込むためのものです。じゃあPC-1251+CE-124なんかで記録されたものはどうなの?ということで試したことがあるのですが、なぜかうまくいきませんでした。特別な変調でもかかっているんですかねぇ。

 あと、その外部入力端子とACアダプタとが妙に離れているのが気になるところですが、実際分解して基板を確かめてみるとミニジャックがはまりそうな穴がその場所にあったりします。でもパターンが来てませんので、部品を実装することはできませんし何の働きもしません。もし回路があったら、果たして出力端子だったんでしょうか?リモート端子だったんでしょうか…。
 謎その2、プリンタの紙送りボタンの下にあるカバー。これはサイズも形状もPC-1250/1251に付属するものと全く同じなのですが、塗装の関係で金色っぽくなっています。カバーだということでここを取り外してみても、何にも出てきません。スペアなのかなぁ(本体をCE-125に取り付けると余りますから、なくしやすいですよね)?
 PC-1250/1251にPEEK/POKE命令があることがわかると、隠し命令や未実装の予約語の探索がやりやすくなります。隠し命令は数あれど、やはり一番わくわくさせられたのがシリアル通信関係の命令でしょう。例えばSETCOM命令なんてのはPC-1500+CE-158で使えるようになる命令(通信パラメータ設定)と同じ綴りになっていて、しかもボーレートやビット長などのパラメータの解釈をきっちりしていて(間違えると文法エラーとなる)パラメータが揃うとほんのわずか違う「間」があって通信エラー、という動きを見せるんです。それはまるで、「命令は用意してあるけど機器が接続されてないので使えないよ」と言わんばかり。雑誌などでは、この命令を見つけた連中がまだ見ぬRS-232C I/Fユニットについていろいろ語り合っていたものです。

 そういう投書の中でかなりの人が信じていた(期待していた)ものが、CE-125にシリアル通信機能がある、またはその準備機構があるという説でした。その根拠が上側の端にある9ピン端子です。わざわざカバーで隠すようになっており、また裏面にポケコン本体のコネクタカバーと共にとりつけておく保管場所があることから、「常用する可能性がある」と思われたのです。またこの9ピンの端子はPC-1210/1211に使われていたものと同じ形状であったことも疑いに拍車をかけていました。

 そんな中ある人がこの端子についてシャープに質問しました。回答は「出荷検査用の端子でありユーザーが使うことはありません」とのことだったのに、彼は信じようとせず(かく言う私もこれを読んでも信じませんでした(^_^;))疑惑は解消することがありませんでした。結局は工学社が発行したシャープ公式機械語マニュアルにCE-125回路図が掲載されることで完全に治まりました。

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