1985年頃でしたか、パソコンを電話回線につなぐことが流行になった時期がありました。いや、今では電話を含む通信回線にパソコンをつなぐのは当たり前なのですが、当時法律や規定がようやく改定されて電話機以外のものを電話回線につないでもよくなった(正確には電話回線に音声以外のものを流し込んでもよくなった)せいで、一気に「パソコン通信」が花開いたわけです。もうそろそろ「パソコン通信」なんて言葉も死語かもしれませんが、それ以前の時代もあったわけで、感慨深いものがありますね。
さて、写真の一品はモデムボードと呼ばれるもので、ここに直接電話回線がつながることになります。今あるモデムボードはシリアルI/Fの機能も含むのですが、このボードはシリアル信号を電話回線に乗せるための回路しか備わっていません。上の写真でカードエッジ部分が妙にすっきりしていますが、これは裏面も同様で、ここには電源しかつながっていないんです。
シリアル信号は下の写真の左端の丸、つまりミニDINコネクタにつながります。D-Sub25ピンと変換するケーブルも付属しています。その右のスイッチは…えーとなんだったかな、CとAという文字が入っているのですが、着信に応じるかどうかの設定だったと思います。
このボードのちょっと変わっているところが、製品名にハードの型番(モデムならCZ-8TM*)ではなくソフトの型番がついていることです。実際、これは「モデムターミナル」というソフトの付属品として作られています。
ジャンク品で売っていたのを思わず買ってしまったものでして、これでパソコン通信をしたことはなかったはずです。目当ては通信ソフトで、X1turbo model10を改造して通信できるようにしたもののソフトがなかったので、その足しにという魂胆もありましたが役立つことはありませんでした。
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