MZ-40K1
(MZ-40K用センサーキット)
MZ-40Kには二つのオプション製品が設定されていました。そのうちのひとつ、MZ-40K1は本体に外部の事象を検知する機能を追加する「センサーキット」です。
いわゆる「外部I/O」というやつですね。テンキー叩いてるだけに比べれば多少はコンピュータらしくなるか…相変わらずユーザープログラムは作れませんし、外部I/Oと言いつつ入力だけなんですけれど。
MZ-40K本体に追加で実装する部品。この一点鎖線で囲まれた部分、「オプション(1)」と示されている箇所は、MZ-40Kのみを買っただけだと何もはんだ付けするものがありません。MZ-40K1を買わないと不要な部分なので、まるごとオプションということになったんでしょうね。 |
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上の写真で上部に並んでいる6つのミニジャックが、センサーを接続するポイントとなります。もちろんそのためにミニプラグも6つ付属しています。 |
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付属するセンサーです。まずはリードスイッチと磁石。リードスイッチというのは、薄い金属の板が向かい合っていて、磁石を近づけると磁化してくっつくことで導通する=近接センサとして使える素子です。1970年代には定番のアイテムですね。 工作で使われていたリードスイッチはガラスに封入されていたものがスタンダードだったんですが、MZ-40K1に付属したものはドアの開閉センサなどに出荷されていたものを流用したのか、固定用の穴のあるプラスチックのケースにモールドされています(おそらく中にガラス封入されてるリードスイッチがある)。 磁石も、見にくいですが穴が空いていて、釘やネジで固定できるようになっています。 |
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CdSセル。カドミウム素子を使った光センサーで、これも1970年代の定番アイテムですね。光が当たると抵抗値が変化するので、それをアナログの変化量として使うか、しきい値で判別してデジタル化するか…ということになりますね。もちろんMZ-40Kではデジタルで取り扱います。 |
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マイクロスイッチ。MZ-40K本体についていたものとは、ちょっと違いますね。 |
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フロートセンサ。白く太い部分が発泡スチロールのような軽い素材でできていて、動くようになっています。水が触れて持ち上がると、軸部分に入っているリードスイッチがONになって設定した水位になったことを検知するというものです。 事務所などに置くような給湯器なんかで使われていた部品でしょうか? いつでもお湯が出るという給湯器はタンクにお湯を溜めてあるはずなので、1970年代でも自動的に水量をある程度一定に保っていたものならこういう部品を使っていそうな気もするんですが。 そしてこれが、いわゆる「風呂ブザー」機能のタネです。CdSセルを除きスイッチ系のセンサーしかMZ-40K1に付属しない(温度センサーがない)ことから、風呂ブザーというのは風呂の水位計を意味するわけですね。 |
センサー接続用ミニジャックは6つあるわけですが、その機能はそれぞれ少しずつ違います。表にするとこんな感じ。
番号 | 検知 | 動作 |
1 | ON→OFF | 9999回まで感知をカウントできる |
2 | 感知している間 | |
3 | 感知した時 | |
4 | OFF→ON | |
5 | ||
6 |
センサーが感知した時の動作というのは、どれも全てあらかじめプリセットした音楽の演奏です(タイマー連動時を除く)。短い曲を複数入力しておくと、センサーの動作設定で演奏するアドレスを変えることで複数のセンサーの感知を聞き分けることができます。
2番の「感知している間」というのは、OFFになっている間ということで、再びONになれば動作を停止(=演奏を終了)します。使用例として電話の保留音が挙げられていますね。受話器を置くとスイッチが切れるようになっている台なんかを想定しているようです。
各センサーは、センサーごとに待ち受けできる他、タイマーとの同時動作で全てのセンサーの待ち受けが可能です。ただ機能として工夫されているのはここまでで、複数のセンサーを連携させることまではできません。センサー1が設定回数感知されたのでその後はセンサー4の感知を待つ…とかいうような、ソフトウェアがあるからこそ組み合わせられる使い方ができなかったのは残念でしたね…。