S2865G2NR Tomcat K8E / TYAN


CPU Type:Socket 939

Chip Set:nForce 4 Ultra / nVIDIA

FSB Clock:200MHz

HT Link:1GHz

Memory Clock:333,400MHz

RAM Module Type:184pin 2.5V PC2700・PC3200 ECC Unbuffered DDR-SDRAM DIMM *4

Ext.Slot:PCI Express x16 *1,PCI Express x1 *2,3.3/5V 32bit 33MHz PCI(ジャンパ切り替えで給電電圧選択可能) *4

Ext.Onboard Device:Rage XL / ATI (VGA) , BCM5721 / Broadcom (GbE)

Power Supply Type:SSI EPS12V

Board Form:ATX

BIOS: Phoenix BIOS


 2005年春に国内デビューを飾った、TYAN初のSocket939対応マザーボード。

 姉妹モデルとしてサウンド(Realtek ALC655)とIEEE1394a(VIA VT6307)をオンボード搭載するS2865AG2NRFが存在する。

 また、この製品はSUN MICROSYSTEM製ワークステーションであるUltra20やサーバ機のSun Fire X2100にS2864としてオンボードデバイスの構成を変え、PS/2キーボード・マウスコネクタを省略したモデルがOEM供給された事でも知られている。

 公式には対応CPUとしてSocket939版Opteronが挙げられているが、筆者が確認した限り、Athlon 64 3200+とAthlon 64 X2 4200+でも特に問題なく動作した。

 全般的に見て、nForce4系チップセット搭載機種としては非常にシンプルかつオーソドックスな造りで、同時期設計のS2895A2NRF Thunder K8WEと共通する配線パターンや部品レイアウトが散見され、いかにもTYANらしい落ち着いた作風を示している。

 もっとも、電源がSSI-EPS12V前提で設計されている(ATX12V電源でも一応動作するが、後述の通り安定動作の観点ではSSI-EPS12V規格に正しく準拠した電源を使用し、求められる全ての給電コネクタを接続して使用するのが望ましい)ことや、オンボードでVGAコントローラ(VRAM 8MB)が全モデルに標準搭載されていることなどが示す通り、安定動作を重視したサーバ向けの設計となっており、実装コンデンサ類についてもCPU回りに表面実装タイプのOSコンを採用するなど、長期間のノンストップ動作に耐える相応の高価な品が採用されている。

 このことからも判るように、本製品はnForce4シリーズでは中位のnForce4 Ultra搭載ながら、他メーカーによる派手な色彩のコネクタや冷却機構を搭載した、凡百のnForce4 SLI搭載マザーボードよりも高価なプライスタグを付して販売されており、一般ユーザーが普通にショップで選んで買う性質の製品でなかったのは確かである。

 とはいえ、基本的には非常に素直な扱いやすいボードであり、nForce4系共通のチップセットドライバをインストールし、BCM5721のドライバとグラフィックのドライバをインストールすればそのまま使用可能であったため、筆者には特に問題点は感じられなかった。

 もっとも、同一モデルを購入した筆者の知人宅ではJustyの350W安物電源でこれを約2年使用したところコンデンサが吹いて使用不能(CPUへの給電系が本来の半分のコネクタ数で結線されるため一部で過電流状態が続き、温度上昇でコンデンサの寿命が急速に短縮される状態となったものと推測される)になっており、やはり450W、できれば500W以上のSSI-EPS12V電源での使用が望ましい様だ。

 総じてnForce4系は消費電力が大きいため、電源の容量と品質、それにコネクタ規格には特に注意して使用されたい。


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