ELSA GLADIAC 743 GT AGP (GD743-128ARGT) / ELSA JAPAN
Graphic Acceralation Chip:GeForce 6600GT(NV43:コアクロック 500MHz) / nVIDIA
RAM:2.0ns GDDR3-SDRAM 128MB(900MHz 128bit))
Port:AGP (32bit 66MHz 8x 1.5V)
動作確認マシン:PC/AT互換機(S2885ANRF Thunder K8W)
2004年12月にデビューした、GeForce 6600GT(NV43)を搭載するAGP対応カード。
GeForce 6600GTはGeForce FXの不振を受けて大幅な機能強化が図られたGeForce 6シリーズのミドルレンジモデルであるGeForce 6600の上位モデルで、8基のピクセルシェーダーと3基のバーテックスシェーダーを搭載する。
さすがに16基のピクセルシェーダーと6基のバーテックスシェーダーを搭載するGeForce 6800GT/Ultraとは比べるべくもない低性能だが、それでも前世代のミドルレンジモデルであるGeForce 5600/5700シリーズからは飛躍的な性能向上を達成しており、またPCI-Expressにネイティブ対応してSLIもサポートしていたため、大ヒットを記録した。
このカードはそのAGP対応版であり、HSI(High Speed Interconnect)と称するAGP to PCI-ExpressブリッジチップをAGPとチップの間に挿入して信号変換を行うことでPCI-Express対応のチップをAGPで動作可能としている。
前世代のストップギャップモデルであったGeForce 5900XT(ハイエンドであるNV35系の最下位モデル)と比較してもこれを凌駕する性能を発揮しており、ミドルレンジではあるが発売当時の一般的な3Dゲームをプレイするには充分以上の性能であったため、アップグレードパスの選択肢が狭まりつつあったAGP対応マザーボードのユーザーに好評を博した。
これはELSA JAPAN標準の全般的に癖のない造りのカードで、セラミック製スリーブベアリングによる長寿命ファンを搭載しているのがセールスポイントとされるが、正直どの程度の耐久性があるのかは定かではない。
もっとも、AGP 3.0の実装やBIOSに怪しいところのあるS2885ANRF Thunder K8WではBIOSが標準設定でDirect 3D描画時に落ちるなどしており、高負荷動作を正しく行うには例によってBIOSのAGP動作関係の設定を追い込む必要性がありそうである。これは恐らくこのカード側の問題ではないのだが、GeForce FX 5800搭載のGLADIAC FX 930では同じプログラムを走らせても特に問題なく動作していたので、AGPの挙動か何かがそこから変更されている可能性は考えられる。
なお、GeForce 6600GTの消費電力は意外と大きく75Wとされるため、5/12V汎用電源コネクタからの電力供給を必須とする。
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