GA-VDB16/AGP / I-O DATA


Graphic Acceralation Chip:Voodoo Banshee / 3Dfx

RAM:8ns SGRAM 16MB

Port:AGP (32bit 66MHz 1x 3.3V)

動作確認マシン:PC/AT互換機(S1837UANG Thunderbolt


 3Dfx初の2D描画機能内蔵グラフィックアクセラレータチップであるVoodoo Bansheeを搭載した、AGP対応グラフィックカード。

 姉妹機種として、PC/AT互換機のみならずPC-9821シリーズにも対応した、GA-VDB16/PCIが存在する。

 カード自体は特に奇異なオプション機構を備えていないが、チップ冷却用に山洋電気製の高信頼性薄型ファンが搭載されているのが目を引く。

 これは、単なるリファレンスカード/ドライバのデッドコピーではなく、自社で再設計したカードに同じく自社でかなり手を入れたドライバの組み合わせによって、速度・画質・安定性の3点で他社の同チップ搭載品を上回る性能を発揮した。

 但し、画質については自社製ドライバによるRAMDACパラメータの最適化に依る所が大で、リファレンスドライバではひどくぼけた画になる傾向がある。

 これは、ドライバ開発力では国内メーカー中でもCanopusに次ぐ(部分的には上回ってさえいた様に思われる)技術力を備えていたI-O DATAの面目躍如といった所であるが、その開発力を持ってしても根本的な画質傾向の改善は望むべくもなかった様で、同チップ搭載カード中では最良ではあっても、同社がこれまでに発売したカード、例えばGA-PII8/PCI等と比べると画質的にはやや劣る様に感じられる。

 ちなみに、この製品については自社でリファレンスドライバに(恐らくはソースレベルで)大きく手を入れていたお陰で、チップ供給元である3dfx自身でさえ満足なドライバを供給せずに終わってしまった、3Dアクセラレーション機能を正しく実装したWindows 2000用ドライバがきちんと提供されており、この点については非常に高く評価出来る。

 今となっては決して高速とは言い難いが、2D描画、殊に16bitカラーまでであれば充分過ぎる程の描画性能を備えており、Glideに対応している事も合わせて、今でもそれなりに利用価値のあるカードである。

 なお、このカードを含むVoodoo Banshee搭載カードは3dfxが記述したリファレンスドライバのどこかに問題があったらしく、CoppermineコアのPentium III/Celeron搭載機で性能が低下するという問題を抱えている由で、実際筆者が確認した範囲では確かに性能が低下していた。

 よって、該当するCPUを積んだマシンにはVoodoo Banshee搭載カードを挿さない事を強くお勧めしておこう。


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