Oxygen GVX1 / 3DLabs
Graphic Acceralation Chip:GLINT R3 + GLINT GammaG1 / 3DLabs
RAM:7ns SGRAM 32MB
Bus:PCI Rev.2.1 (32bit 33MHz 5V)
動作確認マシン:PC-9821RvII26/N20、PC/AT互換機(S1867DLU3AN Thunder2500)
1999年夏に発売された、Open GL対応グラフィックチップとして著名であったGLINTシリーズを搭載する3Dグラフィックカードの一つ。
姉妹機種としてAGP版が存在したほか、この時期のOxygenシリーズには更に下位モデルとして、GLINT R3のみを搭載するOxygen VX1(AGP版のみ)が存在した。
このカードではラスタライザとして動作するGLINT R3は、コンシューマー向けにPermedia 3として発表されたチップと仕様が酷似しており、またこのチップを搭載するOxygen VX1がPermedia 3とチップ名と同一の名称で販売されたコンシューマー向けグラフィックカードとほぼ完全に同一基板であったことなどから、実質的に同一品である可能性が高い。
Permedia3≒GLINT R3はPermedia2の後継として開発されたチップで、Permedia2と比較してメモリバスの幅が64bitから128bitに倍増され、Lilith P3の項にも記した通り、1998年中にリリースの予定が99年夏まで遅れ、コンシューマー向けでは成功を収めることなく終わった製品である。
このカードはそのGLINT R3にハードウェアジオメトリプロセッサであるGLINT GammaG1を1基付加したモデルで、これによりOpen GLで多用される座標計算や光源計算を高速化している。
メモリチップ(K4G163222A-PC70 / 三星)は16MBitのSGRAMで、これを基板の表裏に各8枚実装して16*8*2=32MB搭載としている。
基板レイアウトとしては、QFPのGLINT GammaG1がPCIバスのカードエッジコネクタ直近に置かれ、BGAパッケージのGLINT R3がSGRAM直近に配されている。
ちなみにこのカード、通常のD-SUB 15ピンコネクタによるアナログRGB出力と立体視端子に加え、DFP(Digital Flat Panel)規格準拠のデジタル出力を備えており、DFPコネクタ直近にSilicon ImageのSiI164CT64という信号変換チップが実装されている。
これはOpenGLカードとしての性能は今更語るほどのものではないが、VGA BIOSがPC-9821シリーズに挿しても起動を阻害しない仕様で、そこそこの3D描画性能(同時期のRIVA TNTとTNT2の中間程度)が得られ、しかもRIVA系やVoodoo Bansheeとは比較にならない高品質なアナログRGB出力が得られるため、Windows 9xでの使用を考慮せず、Windows NT/2000でのみ動けばよいのであれば、PC-9821シリーズで使用するのに好適なカードの一つとして良いだろう。
なお、2つのGLINTチップはいずれもヒートシンクが貼付されており、動作時にはそれなりの高発熱となる。
同系のAGP版ではSUNON製の粗悪品と言って良いようなファンが付いていたことを考えるとそれなりのエアフロー対策を行った方が良いようにも思えるが、AGP版では動作クロックが異なる可能性も考えられるため、このあたりは一考を要しよう。
一応、当ページの内容の無断転載等を禁止します