TERADRIVE KEYBOARD 106 [HTR-2106] / SEGA
SEGAのPC/AT互換PC+メガドライブ複合マシンであったTERADRIVEに付属していたメカクリックキーボード。
これは言ってみれば米国IBMの純正101キーボード(1391401 (Model M)など)と共通のデザインで成型色をTERADRIVE本体と同じ濃いグレーに変えたケースに、日本IBMの5576-A01と同じ配列のキースイッチを搭載するという非常に特徴的な設計の製品で、筆者はこ長い間メカニカルスイッチだと思っていたのだが、分解して子細に観察してみた結果、これはIBM特有のスプリングバック機構によるメカクリック+シートスイッチ搭載であると判明した。
TERADRIVE自体は日本IBMより主要部の基板等をOEM供給されていて、その為かこのキーボードもIBMの個性の強く出た内部機構を備えているのだが、少なくとも5576-001/002/003/A01/B01、それに米国IBMの101キーボード等を調査した限りでは完全に同一のスイッチを搭載したモデルが他に存在しておらず、これはこの機種の為に特に設計された完全オリジナル設計品であった可能性が高い(これはどうも製造が5576-001/002と同じアルプス電気であった様だ)。
なお、キーボードケーブルはキーボード本体直付けであった。
SEGAのPC事業撤退時にはTERADRIVE関係のデッドストック製品・部品群が大量に市場に流れた由であるが、恐らく一番喜ばれたのはこれだろう。
いわゆるシリンドリカルステップスカルプチャタイプのキー配置のこのキーボードは標準配列かつキータッチが抜群に優れていた事から愛用者が多く、今でもスペアとしてわざわざ中古でキーボードの付いたTERADRIVE本体を探す向きが多いと言われるのも頷ける。
キータッチは相当に軽い部類に入り、同様の構造を備えるIBM純正のスプリングバック機構搭載機種とは一線を画している。
強いて欠点を探すとすれば、それは入力時の音がカチャカチャうるさい事と、キートップの文字(白色)がインキ印刷によっており、それ故に長期使用で剥離しやすい事、それに故障時の修理が構造的に至難(無論、滅多な事では壊れないが)である事位のものであろうか。
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