LSI 3041E 4-PORT SAS 3GB RAID CARD (EH417AA) / Hewlett Packard (LSI SAS3041E-HP / LSI Logic)


インターフェイス:SAS (300MB/s) / Serial ATA II (150MB/s) * 4 Channel

転送モード:Bus Master

Port:PCI-Express 1.1 (x4)

SAS/SATAコントローラ:LSI SAS1064E / LSI Logic

対応機種:PC/AT互換機

動作確認マザーボード:S2895A2NRF Thunder K8WE


 2006年夏より市場へ出回り始めた、4ポートSAS/SATAカード。

 ソフトウェアレベルでRAID 0/1/10をサポートする、LSI Logic製LSI SAS3041E-RのHewlett-Packard向けOEM品である。

 SASカードとしてはAdaptecのASC-48300などと共に市場に出回った最初期の1枚であり、専用ケーブルが同梱されていなかったため、SAS HDDを接続しようとしてこのカードを購入した者は対応ケーブルの入手に大変な苦労を強いられる羽目に陥った(当時このカードを販売していた某有名ショップでも取扱が無く、何と秋葉原中捜しても、とある専門店1軒だけの取扱であった)事で知られる。

 Serial Attached SCSI略してSASは、その正式名称が示す通りUltra 320、つまり16bit接続のままで320MB/sの転送レートを達成したものの、それ以上の高速化が困難となっていたSCSI規格の後継として開発された高速シリアル転送インターフェイスの一種であり、Serial ATA規格との物理的・電気的な上位互換を実現することで廉価なSATA対応機器と高価なSAS対応機器の混在によるハイ・ロー・ミックスを可能にした画期的なインターフェイス規格である。

 通常のユーザーが使用する範囲では、SASとSATAの差異は高価だがより高速かつ高耐久性・高信頼性なハードディスクが使用出来ること以外にはほとんど無いのだが、同一ドライブに対する2系統のホストカードへの接続を可能とし、使用中のカードが故障した際にもう一方からのアクセスへ切り替えることで運用を止めずに継続させる機能(このためにSAS HDDはSATA HDDとは異なる専用のコネクタ・ケーブルを使用しており、単純にSATA専用ケーブルを接続できない)など、エンタープライズな用途では重要かつ便利な機能が満載されている点で大きく異なる。

 ちなみに、このカードに搭載されたコントローラであるLSI SAS1064Eには組み込み系機器でおなじみのARM系RISC CPUが内蔵されており、SASがサポートする機能の複雑さが判る。

 それゆえ、通常のSATA HDDだけを接続して使用する分にはこのカードがその真価を発揮することはほぼ無いのだが、現状でこのカード以下のレンジの価格帯で市販されているPCI Express対応の4ポートSATAカードは意外と少数派(これはSilicon ImageがPCI Express接続対応のSATAコントローラとしてSiI3132しか用意していないことに一因がある)のため、その代用として使用されるケースも少なからずあるようだ。

 もっとも、オンボードで多数のSATAポートがマザーボード上に実装されている昨今の情勢では、この種のカードが必要なケースというのはPCI-Express x4をサポートし、かつSATAポートの実装数が少なかったIntel 752x/753x系チップセットやnVIDIA nForce4系チップセット搭載のサーバ/WS機でSATAポートを増やす必要がある場合に限られているとも言えるが。


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