ADAPTEC SCSI CARD 39160 (ASC-39160) / Adaptec


インターフェイス:Ultra 160 SCSI (68pin LVD 160MB/s) / Ultra SCSI (50pin SE 20MB/s) + Ultra 160 SCSI (68pin LVD 160MB/s)

転送モード:Bus Master

Bus:PCI Rev.2.2 (32/64bit 33/66MHz 3.3/5V)

SCSIコントローラ:AIC-7899G / Adaptec

対応機種:PC/AT互換機

動作確認マザーボード:S1837UANG Thunder boltSUPER PIIIDMES2460 Tiger MPS2466N-4M Tiger MPX


 Adaptec社製Ultra 160 SCSI対応アダプタシリーズの最上位モデル。

 初のUltra 160 SCSI対応カードとしてCompaq社へのOEM供給等で先行デビューしたAHA-3960Dは、実質的にはこの製品と同一である。

 これはUltra 2 SCSI用のAHA-3950U2の後継機種に相当し、PCI Rev.2.2準拠の64bit 66MHz PCIバス対応でUltra 160 SCSIインターフェイスを2チャネル備える(それぞれのチャネルにVHDI外部コネクタが用意されている)、最近のSCSIカードとしてはかなり大柄な部類に入る製品である。

 搭載コントローラであるAIC-7899Gは下位モデルである1チャネル版のAIC-7892を2つとPCI to PCIバスブリッジを1チップに納めてしまった製品で、同様に7890を2つとPCI to PCIバスブリッジを内蔵していたAIC-7896/7897の後継製品として位置付けられている。

 但し、このチップは高コストが当然、といった感さえあったAIC-7896/7897と異なり、低コスト化が至上命題となったのか、高価なメタル製のBGAパッケージからマザーボードのチップセットでおなじみのプラ製BGAパッケージに変更されている。

 ちなみに、Adaptec日本法人はこのカードが64bit PCI対応である事は宣伝するが、66MHz対応である事は語りたがらない、という何とも不可思議な方針(にもかかわらずこの製品の日本向けリテール版外箱には66MHz対応の表記がある)で広報活動を行っており、この為にこのカードは33MHz駆動専用であるかの様に一部の雑誌やサイト等で紹介されたりしているが、同社USAサイトで配布されているAIC-7899のデータシートその他の記述と、33MHz駆動のS2460 Tiger MPと66MHz駆動のSUPER PIIIDME・S2466N-4M Tiger MPXという、3種の64bit PCIバススロット搭載マザーボードでの挙動の相違を見る限りは、少なくとも筆者が手にした個体については66MHz駆動に対応していたと明言出来る(世間的には、初期ロットで33MHzでしか動作しない個体があった由であるが)。

 世間的に64bit PCIスロットを搭載したマザーボードが少数派である為、64bit 66MHz PCIに最適化されたこの製品はどうしても低く評価されてしまう傾向がある(事実32bit 33MHz PCIでは性能が確実に低下するし、64bit 33MHz PCIでもやや性能が低下する)が、正しく64bit 66MHz PCIバスあるいはその上位に当たるPCI-Xバスに接続され、充分高速な対応ドライブがSCSIバスに接続された場合には、このカードは同クラスのライバル製品の殆どを圧倒する性能を発揮する。

 何しろ非常に高価で、しかも上記の通り使いこなしにそれなりのインフラ整備が要求される製品である為お勧めし難い点が多々あるが、かけた手間に見合う結果の得られるカードではある。


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