MegaRAID SAS 8344ELP / LSI Logic


インターフェイス:SAS / Serial ATA II (300MB/s) * 8 Channel (Internal:4 + External:4)

転送モード:Bus Master

Port:PCI-Express 1.1 (x4)

SAS/SATAコントローラ:LSI SAS1068 / LSI Logic

I/Oプロセッサ:Intel 80333 (Intel IOP333) / Intel

対応機種:PC/AT互換機

動作確認マザーボード:S2895A2NRF Thunder K8WE


 2007年春より日本市場へ出回り始めた、8ポートSAS/SATA II対応RAIDカード。

 内部4ch(SFF8087)+外部4ch(SFF8470)で合計8chのSAS/SATA IIポートを備え、Intel 80333と128MBのPC2700 DDR-SDRAM(部品面に3枚、半田面に2枚の計5枚のメモリチップを実装する。つまりECC対応の64bitバス接続となる)をオンボード搭載する、典型的なハードウェアRAIDカードの一つである。

Intel 80333はIOP333という愛称が強調しているように内部に333MHz駆動で64bit幅のローカルバスを内部に備え、それにApplication Accelerator Unitと称するXORエンジンとARM V5TE相当のRISCプロセッサコア(Intel流に言えばXScaleコア。データシートの記述に従えば500・667・800MHzのいずれかのコアクロックで動作するが、この製品では動作クロックは公開されていない)、2系統のPCI Express-PCI-Xブリッジ(一方にARMコア等とSASコントローラが接続されていると見られる。つまりデータは内部的にはPCI-Express→ブリッジ→内部PCI-Xバス#1→ATU/Message Unit→ローカルバス→ARMコア→ローカルバス→ATU/Message Unit→内部PCI-Xバス#1→LSI SAS1068の順に転送されると推測される)を接続する非常に興味深い実装のI/Oプロセッサで、チップ側はRAID 6もサポートしているが、本製品ではRAID 0/1/5/10/50のサポートにとどめられている。

 カード自体はロープロファイルタイプでI/Oプロセッサを覆う巨大な銀色のヒートシンクが目を引くが、実はこのチップ、動作時の発熱量がやたらと巨大で、これならば他社の競合製品のように空冷ファンを実装しても良かったのではなかろうか。

 RAIDアレイはBIOS上のユーティリティ(Web BIOS。ちなみにこのユーティリティ、マザーボード側のBIOSで認識されるマウスでの操作が可能となっている)で仮想ディスクを作成して構築するが、JBODをサポートしていないため、1台のHDDを接続して使用する場合には必ずRAID 0の仮想ディスクを作成してフォーマットしてから使用する必要がある(つまり通常のSAS/SATA IIカード等でフォーマットした、データの入ったディスクをそのまま接続し正しく認識させることは出来ない)。

 RAIDとして仮想ディスクを構築しさえしておけば、(バックアップはとっておく必要はあるが)必要に応じRAID 0からRAID1/5/10/50への移行が容易に実行可能であるため、これはこれでメリットのある設計だが、個人的にはAdaptecのASC-48xxシリーズのようにJBODはサポートしておいて欲しかった気はする。

 なお、この種の製品の常として、本製品にはバッテリーバックアップユニット(MegaRAID LSIiBBU01)がオプションで提供されており、これを装着しない場合はキャッシュがライトスルーモード固定となる。


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