SYM 21040-33 (LSI 21040) / LSI LOGIC
インターフェイス:Ultra 160 SCSI (68pin LVD 160MB/s) + Ultra Wide SCSI (68pin SE 40MB/s) / Ultra SCSI (50pin SE 20MB/s) 転送モード:Bus Master Bus:PCI Rev.2.1 (32/64bit 33MHz 3.3/5V) SCSIコントローラ:53C1010-33 / LSI LOGIC 対応機種:PC/AT互換機 動作確認マシン/マザーボード:S2460 Tiger MP,S2466N-4M Tiger MPX
かつてSYMBIOSの名で知られた、53C8xxシリーズSCSIコントローラの直系の子孫に当たる53C1010-33 2ch Ultra 160 SCSIコントローラを搭載する、Ultra 160 SCSI 1ch & Ultra Wide SCSI 1ch構成の64bit PCIバス対応カード。
64bit PCIバス対応ではあるが、SCSIコントローラチップ名から推測出来る通り33MHz駆動専用で、Ultra 160 SCSI 2ch対応のコントローラを積むにもかかわらず敢えてUltra 160 SCSI 1ch & Ultra Wide SCSI 1ch構成(オンボードターミネータの種類が両チャネルで違えてあるので、2chともLVD動作させる事は出来ない)とされた理由もその辺にあると考えられる。
というのは、64bit 33MHz PCIのデータ転送能力は266MB/sなので、ピーク時320MB/sを要求するUltra 160 SCSI 2ch構成だと明らかに不足する為で、2chのUltra 160 SCSI転送を可能にするには64bit 66MHz PCI以上の転送能力を要求されるから、このカードでUltra 160 SCSI 2ch構成とするのは理論的に無理があるという事になる訳である。
無論、いかなUltra 160 SCSI対応と言えども、単体でバスの転送能力を使い切る性能を発揮するハードディスクは2001年末の段階では存在しないから、現時点でそこまで気にする事はなく、むしろ2chそれぞれで転送能力100〜120MB/s程度のLVD接続で使える事のメリットの方が重要なのではないか、という意見(サーバ等でソフトウェアRAIDを組むとすれば、SCSIコントローラの負荷を考えるとその方が余程使いでがある)もあるのだが。
ちなみに、このカードに搭載された53C1010チップはその発表時期こそ早く、直接のライバルとなるAdaptecのASC-39160に搭載されたAIC-7899とほぼ同時期であったのだが、実際の生産は色々難航したらしく当初のスケジュールから大幅に遅れてしまい、このチップの搭載を予定していたマザーボード、例えばSUPERMICROのSUPER PIIIDM6等はチップ供給の遅れ故に生産済みの基板をSCSI無しのSUPER PIIIDMEに振り向けて出荷する羽目に陥り、Intel840のMRH-Sの不具合問題もあって結局SUPER PIIIDM6は製品として出荷されず仕舞いになってしまった様だ。
誤解無きよう念の為に強調しておくが、64Bit 33MHz PCIスロットに挿して使う限り、このカードはカタログデータに示された通りの、そして充分以上の性能を発揮しており、筆者の感想としては、ハードウェア的には非常に良く出来たカードであるとの印象を受けた。
但し、その使用に当たってはまず最初に搭載BIOSのバージョンをVer.4.19以上に更新しておく事が事実上必須(BIOSファイルは、最新版ドライバと共にLSI LOGICのサイトにある。なお、付属CD-ROMからのDOSブート(何とDR-DOSが使用されている)による更新作業には結構時間がかかる事を覚悟されたい)で、そうしなければLVD接続のSCSI HDDから起動出来なかったり、そもそもまともに認識しなかったり、とひどい事になるので注意が必要である。
一応、当ページの内容の無断転載等を禁止します