MZ-1R13
PIO-3055
(MZ-2000/2200用JIS第一水準漢字ROMボード)

 MZシリーズは漢字ROMのサポートが遅く、それで他機種から水をあけられたという見方もできます。実はMZ-80Bの時代、「JIS漢字コード」なるソフトが開発されていて、ディスクに記録した漢字フォントを読み出して使用するという構想もあったようです。これについてはOh!MZ誌にも記事が掲載されたのですが、外字作成用と思しきフォントエディタを添付してあるのはいいとしても、サンプルとして掲載されている文字のデザインの悪さには閉口しました。結局これは日の目を見なかったわけですが、その代わりMZ用の漢字ROMとして唯一の存在ともいえたのがアイ・オーデータ機器のPIO-3055です。これには専用のカナ漢字変換ROMがオプションで存在していて、一部のワープロに対応するものがあったような気がします。
 その後ようやくMZ-2000/2200には漢字ROMが発売されたのですが、これがなんとPIO-3055そっくり。というか、DIP SWのパターンがありながらリード線でアドレスを固定しているというのが怪しさ爆発です。というわけで当時これは「PIO-3055をシャープが自社で製品化したもの」という説が固定してしまったのです。

 …と思って手元にある月刊マイコン1982年12月号のアイ・オーデータ機器の広告を見てみると、なんだかICの数が少ない。下の白黒写真がそれ。漢字ROMと隣のソケットは同じにしても、さらにその横のICの数が明らかに違います。さらにはDIP SW周りの配置も少し違う…。この写真は製品と違うんでしょうかね?試作品?製品はMZ-1R13と同じ?うーん…。

 と思っていたらヤフオクで出品されているのを発見。ああ、ICはもとより抵抗やパスコンの位置まで同じですね。これをシャープ純正として取り込んだというのがやはり正解のようです。X68000の時代には一部純正ボードをI・Oデータ機器に移管して生産を継続させるなどしているのですが、その逆もあったのですね…。

所蔵品一覧に戻る