MZ-6500 model50 (MZ-6550)

 MZは最後はAXへ衣替えしてしまったのですが、その直前の最後の機種ですね。Oh!MZ/Xでは一時MZ-5500/6500の特集を組むなどそれなりの扱いを受けていたようでしたが、やはりターゲットの違いかMZ-6500のマイナーチェンジについては全く扱われることはありませんでした。そのなかで1989年、忘れていたものを思い出したかのようにOh!Xの新製品紹介で掲載されたのがこのMZ-6550でした。
 特に何に使うのかと聞かれて困ってしまうモノではありますが、やはり最終モデルなら手にしたいと思うのが人情。そのチャンスはこれまで二度ありました。
 最初は「あの」アイビット電子。ここには恐らく最初に入荷したであろうMZ-6550の新品がビニールをかぶせられて鎮座していました。もう出てからずいぶんになるので安くならないか探りを入れてみたのですが、思い通りには行きません(定価65万円ですもんね)。
 次はある夜のチャット。土曜の深夜でしたが、この日秋葉原に出かけた人が「ソフマップにAX386とMZ-6550があったよ」(詳しい人ではないのでここまで正確ではなかったですが)と教えてくれました。遅いだろうなと思いつつ翌日行ってみると、案の定姿はありません。しかし、数日後とあるルートからX1平和研究所のおーむ・えんばー氏が秋葉原にてMZ-6550を購入したという話を聞きました。どうもタイミング的に教えてもらったブツのようです。彼はその年のコミケにてそのMZ-6550を展示しています。
 今回が三度目の正直と言うことで、この一連のページをご覧になったある人から譲っていただきました。その人は大阪の中古店でこれを買ったのですが、マニュアルもシステムディスクもなく、手放すことにしたとのこと。かといって、私もシステムその他持ち合わせてないんですが、この機会を逃すまじ、と譲渡に応じたわけです。
 細部を見てみると、いろいろ改良点などもあって興味深いものがあります。まず、RS-232Cコネクタが25ピンになっています。MZ-5500/6500が15ピンだったのはあまりにも異端児でしたからね。あと、ちょっと見にくいですがキーボードの配列というよりレイアウトが、PS/2キーボードになんとなく似ていたりします。拡張スロットは5スロットありますが、右端がHD I/F専用になっています(HDD内蔵タイプです)。I/F方式は相変わらずST-506直接駆動のようですが、コントローラがZ80に格上げ(笑)されています。残りのスロットは空なので、増設メモリは全くないことになります(起動時のメモリチェックで全領域をカウントするので期待させるんですが…あくまでカウントで、存在するかどうかのチェックなんですね。そういえばメモリのない領域ではカウントが速いです)。スロットそのものはMZ-6500と互換性があるのですが、MZ-6500Cなどと同様にメモリを拡張して80286のプロテクトメモリに割り付けられるか疑問です。それと、電源がスタンバイするようになっているのですが、タイマ起動でもできるんですかね。
 今作っているものの都合でもあるんですが、せめてターミナルソフトがあるといいんですがね。なければ作るしかないのかな。ハード的にはMZ-6500と互換性があるというし、MZ-6500については資料があるので、MZ-6500で動けばこいつでも動くと思うけど…。
 さて、本体入手から約2年越しでやっとシステムディスクとマニュアルの入手に成功しました。HDDが内蔵されているもののシステムがないためにずっと「置き物」と化していましたが、ようやく動かせるようになったのです。実は譲っていただいた方から、システムから入手できたら画面写真などを載せて欲しいというご希望がありましたので、今回の追加となりました(^^)。
 電源を入れたりリセットスイッチを押すと、まず"SYSTEM LOADING"と表示され、ある程度システムが読み込まれると「ハードディスクの準備中です.しばらくお待ちください.」と表示されてHDDの起動を待ちます。この時代のHDDは安定するまでちょっと時間がかかったりしましたからね。なお、このメッセージとほぼ同じものがMZ-2800でも現れます。
 で、HDDのアクセスが確認できるとMS-DOSが起動します(あ、日付と時間がむちゃくちゃ(^_^;))。この手順はCP/M86でも同様です。
 最後の写真はこのMZ-6550で動いていることの証拠写真。モニタはX68000PROなどと共有しているCZ-602Dで、白い枠はCRTフィルターです。

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