PC-1405G
PC-1415G

 PC-1404Gに続く教育専用機。さすがに学校向けだけあって、この後ほぼ1年ごとに新機種が登場するようになります。そしてこれは最後の単三乾電池×2本駆動モデル…。



 この分厚い筐体が嫌われたか、この世代ではリチウム電池モデルであるPC-1415Gと併売されることになりました。BASICその他の機能は全く同じで、ボディの大きさと電池だけが違うモデルが用意され、それぞれの学校にどちらを採用するかの決定を委ねたということなのでしょう。

 PC-1404Gで触れた工業高校でのポケコン、その後です。
 PC-1404Gの時代ではポケコン単体によるBASICプログラミング習得に留まっていましたが、さらに深い学習を行うためいろいろな方策が検討されていたようです。その結果、1985年に採用されたPC-1405G/PC-1415Gの時代ではオリジナルのI/Fを接続して使用する例が増えてきました。

 PC BOX No.9(1985年8月頃)にはおなじみ新潟県立長岡工業高校にて圧電ブザーを外付けしてBEEP命令で鳴らせるボードキットを生徒自身に作らせ、カセットI/Fの代わりとして使っている他8台のポケコンを子機として接続し同時にプログラム転送する仕組みも作っているとの紹介があります。
 同No.11(1986年1月頃)には愛知県立刈谷工業高校と岐阜県立岐阜西工業高校がそれぞれ外部接続するI/F(CPU等を搭載するインテリジェントなものらしい)にて制御実習をしていることが紹介されています。

 プログラミング言語の習得からその応用へ、理想的な発展と言えるでしょう。それが故に、この次のPC-1416Gでは「ミニI/O機能」が搭載されてより制御実習に便利なポケコンへ進化していくことになったのだろうと思われます。





 キー配列は、後継機らしくPC-1404Gと全く同じ。ただ色使いが、他のPC-14xxシリーズに見られるものと同じような感じに変わりました。



 PC-1404Gの中身を見てから気になったPC-1405G/1415Gの中身と関係は…ああ、少なくともデジタル部分は同じですね。シンプルにCPUとメモリが一つずつ…。

 PC-1415G(下)のボタン電池がある部分に相当する箇所には、PC-1405G(上)で下がっている電源電圧をなんとかするための回路があるようです。ざっと見た印象ではPC-1404Gとあまり違わないような気がします。
 デジタル回路のパーツが同じということは昇圧回路があるってことでしょうか。電池の保ち具合を加味すると、果たして単三電池とボタン電池ではどちらが安くついたのでしょうね?



 そのCPUはSC61720…そう、4bitポケコンのCPUですよ。サフィックスも同じD07なので、使用する電池の種類によってROMの内容にも違いがある…なんてことはなかったということなんでしょう。

 PC-1404Gを入手した時は「PC-1431とキー配列がそっくり!」なんて思ってましたが、色合いとかCPUとか何もかもそっくり…というよりも、PC-1415Gが元で、PC-1431一派が一般市販モデルなんでしょうね。

 翌年のPC-1416Gで搭載されることになる「ミニI/O機能」のためには、4bit CPUでは力不足だったのでしょう。元のESR-H(SC61860系)に戻されてしまい、4bitの学校教育用ポケコンはわずか一世代だけに…。4bitポケコンはコストを抑えて製造できる利点がありましたから、安く供給する必要のある学校教育用には有利だと考えられたのかもしれませんけど…仕方ありませんね。ユーザーにはESR-H系の方が応用の幅を広く使えましたからね…。

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