GV-AP64D-H RADEON 8500 Deluxe / GIGA-BYTE
Graphic Acceralation Chip:RADEON 8500 (R200) / ATI Technologies
RAM:3.6ns DDR-SDRAM 64MB
Port:AGP (32bit 66MHz 4x 1.5/3.3V)
動作確認マシン:PC/AT互換機(S2466N-4M Tiger MPX、S2885ANRF-T Thunder K8W)
カナダのATIが2001年秋に出荷開始した、同社の第二世代ハードウェアT&L機能搭載グラフィックチップであるRADEON 8500シリーズの最上位に当たる、RADEON 8500を搭載したカード。
RADEON 8500シリーズ(R200)については既にGA-R8500/AGP / RADEON 8500LEの項で記した通りだが、このGV-AP64D-H RADEON 8500 Deluxe(及び先行発売されたRADEON 8500LE搭載のGV-AP64D RADEON 8500)はATI純正品のOEM販売ではなく、リファレンスカードの設計を基本としつつGIGA-BYTEが独自設計した赤い基板を採用しており、何故か使途不明の謎の端子を実装する為のパターンがコネクタ部に用意されていて、その関係で各コネクタの位置が少々ずらされており、筐体によってはDVI端子の固定用ナットが干渉してきちんと挿す事が出来ない場合があり得る(ナットを一旦緩めてカードをきちんと挿してから再度締め直せば済むが)。
又、メモリチップまで含む大型で銀色の派手なヒートシンクが表裏(つまり、空冷ファンこそ無いが裏面のメモリチップもヒートシンクで冷却される構造という事である)に装着され、これをコイルバネ付きの固定具で止めて挟み込む特徴的な構造となっており、冷却ファンもこれに専用品が取り付けてある。
オリジナルのRADEON 8500では冷却はR200チップのみとされていて比較的シンプルな構造なのだが、こちらではオーバークロックユーティリティが(多数のゲームソフトと共に)同梱された関係もあってか、斯様に物々しい構造とされていたのである。
もっとも、この冷却機構は空冷ファンさえ動作すれば有効に機能するのだが、困った事に表面ヒートシンク上に直接取り付けられた専用ファンはすぐに壊れる安物で、専用品故に交換部品も入手出来ない為、結局筆者はこのヒートシンク全てを撤去して松下製の動圧流体軸受ファン内蔵薄型クーラー(CanopusがSPECTRA 8800等に採用していたのと同系の品)に交換してしまった。
台湾のカードベンダーの中には安易にこうした後々の交換が困難な専用冷却ファン(それも我々の感覚では粗悪品といって差し支えない様な代物)を採用するメーカーが見受けられるが、これは購入直後は良くとも暫くすると困る事になるので、こういった構成を採る製品には特に注意が必要である。
なお、カードそのものの性能についてはGA-R8500/AGP / RADEON 8500LEより高クロック駆動(コア・メモリ共に250MHz→275MHzであるが、メモリはDDR-SDRAMなので500MHz→550MHz駆動相当という事になる)な分だけ高速であるが、機能面では当然ながら同等で、特筆する程のものではない。
もっとも、そうは言ってもメモリ・コアの双方で1割もクロックが違えば性能差は明らかで、R3x0/RV3x0世代のチップと比べると当然に見劣りするが、それでもDirect X8世代までのアプリケーション(特にゲーム)ならば十分実用に足りる描画性能が得られている(実は1割の差が響いてRADEON 8500LEだとこの世代まででも微妙に辛い場合がある)事は明言しておこう。
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