SPECTRA 2500 / Canopus
Graphic Acceralation Chip:RIVA TNT (Nv4) / nVIDIA
RAM:10ns SDRAM 16MB(90MHz 128bit)
Port:AGP (3.3V 32bit 66MHz 2x)
動作確認マシン:PC/AT互換機(SY-6BA+)
市場で大きな成功を収めたRIVA 128 (nv3)の正常進化モデルであるRIVA TNT (Nv4)を搭載し、しかも自社製Voodoo II搭載3Dグラフィック専用カード(Pure 3D II / IILX)との連携に重点を置いて企画された異色のカード。
Viper V330の項でも記した通りRIVA TNTというのは分かり易く言えばRIVA 128の3D描画機能(テクスチャ描画ユニット))を2個分内蔵したチップであり、TwiN Texelの略であるというその名称もこれに由来する。
このモデルは通常とは反対にPure 3D II / IILXからの映像信号を入力し、このカードに搭載されたリレーで信号を切り替える事で2Dの映像信号が劣化してしまう事を防止する、Witch Doctorテクノロジーの唯一の実装例であるが、他にも大画面TVでのゲームプレイを意識した800*600サイズでのNTSCヴィデオ出力を可能とするなど、3Dゲーマーの利便を最優先に設計されたカードであった。
ちなみにこのクラスの集積度のチップともなると流石に動作時の発熱が大きく、姉妹機種のSPECTRA 3200と共通の動圧流体軸受搭載冷却ファン(松下製)が標準搭載されていた。
これは全体的に見て非常に洗練された設計のカードであり、実際の仕上がりも非常に素晴らしかったのだが、残念な事に我が家のCRTであるFlexScan E57T (EIZO)とはチューニングがバッティングするのか相性が最悪で、フォーカスがまるで合わないという深刻な問題が発生し、最終的にはメーカーの実施した上位機種であるSPECTRA 3200への差額交換サービスに応募する事となった。
ちなみにこのカードは例によってリファレンス・デザインから一歩踏み出した設計である為、チップメーカーであるnVIDIAが供給するリファレンス・ドライバでは正常動作しなかった。
これは恐らくWitch Doctorテクノロジーに由来する当ボード上の外部入力/TNT出力の切り替えリレーロジックが対応ドライバ以外では動作しない為と考えられ、DOSモードでは動作するがWindows用ドライバが動作する段階になると画面がブラックアウトしてしまうという症状が発生した。
いずれにせよ外部3D専用カードに3D描画を依存する事を前提とするこのカードの構成は、2Dと3Dの統合という以後のグラフィックアクセラレーションチップの潮流からすれば所詮は仇花でしかなく、このカードが華々しい登場の割に報われる事無くひっそりと消え去って行く一因ともなった。
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