PC-9821A-E09 / NEC
Graphic Acceralation Chip:P86C928 1XP1-0001#/ S3
RAM:70ns Dual Port DRAM 2MB(増設モジュールにより最大4MB)
Bus:Mate A Local Bus (32bit 25〜33MHz)
動作確認マシン:PC-9821As2/U8W
1993年に発売された、Mate A専用ローカルバス対応グラフィックボード。
初のPentium搭載マシンとなったPC-9821Afに標準で搭載されていたのは当時最上位のこのボードであったが、93年11月のPC-9821As2/Ap2の発売時点で早くもMGA-2搭載のPC-9821A-E11が発表されており、束の間の最上位機種であった事が知れる。
先行したPC-9821A-E01と同じ型番のグラフィックチップを搭載するが、標準VRAM搭載量が1MBから2MBに増強され、オプションで更に4MBまで追加可能になった事と、RAMDACのスペックアップ(BrockTreeのBt485KPJ110というドットクロック110MHzの製品が採用された)で、前作では不可能だった高解像度フルカラー表示機能が実現した。
もっとも、選択可能色数が256/1667万色のみで16bitカラーモードが無いというNEC純正特有の理不尽な仕様と、ローカルバスとグラフィックチップの接続に自社製バスブリッジチップ(148542-002 DISGUISE)を介するその設計故に、描画機能/性能の両面で不満が多く、同じ86C928搭載のMate A専用ローカルバス対応グラフィックボードでも、VRAM 2MBで良ければCanopusのPower Window 928IILBの方が高速且つ多彩な表示モードをサポートしていた為に遙かに便利で、VRAM 4MBという事であれば同じくCanopusのPower Window 964LBという破格の性能を備えた怪物が存在していた為に、どの様な意味でも良い評価を得られなかった不幸なボードである。
無論、964LB以外にはこれしか4MB対応ボードが存在しなかったのだからその意味ではこのボードにも存在価値はあったのだが、いかんせん増設モジュールの入手が困難で、結局その大半がVRAM 2MBで忍ばざるを得なかったとあっては、これを好意的に評価するのは難かしいだろう。
NEC純正という事で各種OSのInBoxドライバのサポートが充実しているのは有り難い(特に、98用OS/2で使えるのは大きなポイントである)が、その出来/性能は残念ながらCanopusドライバに遠く及ばず、画質的にも今一つ、というのが筆者の正直な感想である。
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