Millenium II PCI 4MB / Matrox


Graphic Acceralation Chip:MGA-2164WP-C / Matrox

RAM:60ns WRAM 4MB(増設モジュールにより最大8MB)

Bus:PCI Rev.2.1 (32bit 33MHz 5V)

動作確認マシン:Power Macintosh 8500/132PC-9821Xv13/W16


 1997年に発表されたMilleniumの後継機種。

 主として描画性能の更なる高速化が図られたが、3D機能は殆ど強化されなかった。

 基本的には下位機種となるMGA-1064(Mystiqueに搭載)とコアアーキテクチャ共通で、同チップでSGRAM対応であったメモリインターフェイスを、先代のMGA-2064W(Milleniumに搭載)で絶大な効果を示した三星電子のWRAMに変更し、画質に影響のあるRAMDACを外付けにしただけ(あるいは時系列から考えて開発はその逆順か)、と見られるが、それでも元が元だけにGDIの描画性能と画質は発表時の現役グラフィックカード中でも圧倒的で、AGP版で8MB版のMillenium IIと12MB版Voodoo2(SLI接続による2枚挿し)の組み合わせは当時のPCゲーマー達の羨望の的であった。

 まぁ、昨今の高速グラフィックカード群を見慣れた今の目で見ればそう大した物ではないのだが、このシリーズにはMilleniumの項でも記した通りPower Macintosh対応版(Mistral)が存在していて、PC/AT互換機用のPCI版でもMac上でファームウェアを書き換えればMac用として使える様になる事が知られている。

 私が今更の様にこのカードを中古で購入したのはこの為で、Power Macintosh 8500/132に挿してMatroxのサイトで落としてきたファームウェア書き換えツールと専用ドライバを用いると、問題なく標準搭載のグラフィック画面とのデュアルモニター表示が実現された。

 そんな訳でPC/AT互換機上での本来の性能は全く検証もしないままMacに回したのだが、流石にMatrox製品だけあって2Dの描画速度は高速で、しかもRAMDAC外付けなのでケーブル引き回しの長い悪条件下でも非常にシャープな画を表示してくれた。

 但し、そのドライバは1997年を最後に更新が終了してしまっており、OS Xでの利用は事実上不可能な様だ。

 なお、2000年になった記念に(笑)PC-98上のWindows 2000 (RC2)環境での動作を確認してみたのだが、PCI版Power Macintosh用ファームウェアの書かれた状態のこのカードは、PC-98用Windows 2000で多少の問題(ドライバが未完成なのでやむなくPC/AT互換機用NT4ドライバでチェックした。当然ながらディスプレイ出力切り替えは動作しないので、2系統入力のあるCRTの使用が必須となる)はあるものの無事動作した。


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