PC-9821Xv13/W16


CPU:

Pentium 133MHz(SY022) → MMX Pentium 166MHz(SL23S) → MMX Pentium 166MHz(SL27K) → MMX Pentium 166MHz(SL27H) → K6 200MHz → MMX Pentium 233MHz(SL27S) → Pentium 200MHz(SY045) → K6-2(26351) 300MHz → K6-III 400MHz(AHX) → K6-2(26050) 366MHz → Pentium 133MHz(SY022) → MMX Pentium 233MHz(SL27S)→ K6-III 400MHz(AHX) → HK6-MS600P-NV4(Mobile K6-III+ 550MHz(ACR) → 600MHz Overclocked) → K6-2(26351) 300MHz

RAM:

16(72pin ECC EDODRAM SIMM)* 2 = 32MB + 256KB L2C → 32(72pin ECC EDODRAM SIMM)* 2 + 16 (72pin ECC EDODRAM SIMM) * 2 = 96MB + 512KB L2C → 64 (72pin 36bit FastPage DRAM SIMM) * 2 = 128MB → 32(72pin ECC EDODRAM SIMM)* 2 + 16 (72pin ECC EDODRAM SIMM) * 2 = 96MB + 512KB L2C→ 32(72pin ECC EDODRAM SIMM)* 2 + 32 (72pin 36bit FastPage DRAM SIMM) * 2 = 128MB + 512KB L2C

HDD:

2.1GB(SCSI-2) → 4.5GB(Ultra Wide SCSI) → 2.1GB(SCSI-2) * 2 → 9.1GB(Ultra Wide SCSI)→ 18GB(Ultra 2 SCSI) + 2.1GB(SCSI-2)

CD-ROM:

CDU-77E / SONY → DR-U24X / PIONEER → CD-532S / TEAC → PX-12TSi / PLEXTOR → XM-3701 / TOSHIBA

FDD:

3.5inch 3 Mode * 1 → 3.5inch 3 Mode * 2

 

拡張機器:

(グラフィック・アクセラレータ)

Millenium (WRAM 4MB RAMDAC:175MHz) / MatroxPower Window DX/4MC + PC-98接続キット / CANOPUSWGP-FX16N / MELCORevolution IV-FP for Macintosh / Number Nine Visual TechnologyGA-VDB16/PCI / I-O DATA

(サウンドボード)

PC-9801-86 / NEC → PC-9801-86 / NEC + MPU-PC98II / Roland → PC-9801-86 / NEC + S-MPU/PC / Roland

(サウンドカード)

Harmony 3DS724A(ATC-6655) / A-Trend → AUDIO CYCLONE SP402D / MINTON → AV511 / Audio Excel → Xwave6000 / Labway → AUDIO CYCLONE SP410D / MINTON

(SCSIカード)

AHA-2940U / AdaptecAHA-2940UW / AdaptecIOI-A100U2W / IOI-TechnologySIDE-2935UW / IwillIFC-DP / MELCOAHA-2940UW / AdaptecAHA-3940UWD / AdaptecAHA-2940UW / AdaptecCHANPON3-PCI / 玄人志向


 念願かなってようやく買った機体。

 オリックスレンテックのリース落ち中古機を1997年12月に入手。

 先代はSCSIカードの実験機だったがこれはCPU実験機で、上記の通り覚えているだけでも13個のCPUが出入りしている。

 これだけ石が出入りしておきながらIntelとAMDしかないのはfloat(浮動小数点)演算速度が必要な使い方をしていた為だったりする。

 私が大学で所属していたのは経済学部でも多分一番floatの計算速度が必要な部類に入る統計学のゼミで、重回帰分析とかを計算させる分には速いマシンであればある程良い、という状態だったので他の部分そっちのけでCPUパワーアップに走った訳だが、本格的に強化が進んだのはゼミの作業が末期になってからで、実質的には大して役に立たなかった事になる。

 もっとも、そうは言ってもやらないよりはずっと良い結果が出ていたのだが。

 ちなみにこの時期既にAT互換機を導入していたのに98強化に血道を上げたのは、ゼミで使うソフトの一つが大昔にN88 BASIC(86)で書かれていた為にPC/AT互換機では処理の仕様がなかった(注1)物があったからで、大学ではこれが486アクセラレータを載せたPC-9801RX上でのろのろと動いていた。

 当時、先輩方の作業を見ていると、

 1:朝学校にやって来てまずマシンを起動してプログラムを実行→2:「止めないで(電源を切らないで)下さい」と張り紙をして講義に出る→3:夕刻、講義終了後確認に訪れるが、まだ終わっていないので放置して帰宅→4:翌朝再度確認するも未だ終了せず→5:昼食前に確認。漸く終了

 という風に一日以上かかる事も珍しくなかった(注2)。

 その後、同じ作業を自分がやる段になって自宅のこの機体でDisk BASICを起動し問題のプログラムを走らせた時、私は科学技術進歩の猛威をまざまざと見せつけられる事になった。

 何しろ、RXで一日以上かかっていた処理がこの機体では僅か数分で終了してしまったのだ(合掌)。

 些か余談が過ぎるが、この出来事を経験した事で私のCPUに関する認識は随分変わった気がする。

 話を元に戻すと、この機種は良く知られている様にPCI 3スロット(注3)にCバス4スロットと拡張性に優れ、しかも高速なTriton HXチップセット搭載機種なのでWildcat搭載のXa??/C・K・Rと比較すると同一クロックのCPUでもかなり性能差が出る。

 一時今は亡きOh!PC誌がこのXv??/W系列(Xv13/W16・Xv20/W30)を強力にプッシュした事も記憶に新しいが、その仕様、性能を考えれば中古市場で未だ人気なのも当然か。

 また、チップセットの変更の関係で多少高速なEDODRAMが採用されていてメモリアクセススピードが速くなっている筈なのだが、折角の速度上昇分はECCによるエラーチェック/リカバリ機構が喰ってしまうので結局はFast Pageメモリと大差無い速度しか出ない様だ(苦笑)。

 こうした性能向上の大部分をを信頼性向上に振り向けるNECのスタンスは一部では批判の対象となっているが、個人的には一つの正解なのではないかと思う。

 もっとも、そうは言っても最近の高速3D描画機能を実装したチップを搭載するグラフィックアクセラレータの挙動等から推測されるPCIバスのデータ転送性能を見ていると、Triton HX系とWildcat系の性能差は無視出来ないレベルに到達しており、流石はPCIの元締めIntelの製品と思わさせられる。

 実際、Milleniumの場合にはそれ程有意な性能差は感じられなかったのだが、Voodoo Bansheeを搭載したグラフィックアクセラレータの場合には同一動作クロック・同一CPUではHXマシンの方が1ランク上回るかの如き性能差が出ており、Millenium + Wildcat搭載98の時代が終わりを告げた事を無言の内に物語っている。

 そもそもこのTriton II(もしくはTriton HX)というチップセットはFSB 66MHzのSocket 7用チップセットとして一つの頂点を極めたモデルであり、PC/AT互換機での経験から言ってもTriton TX、あるいはその互換チップセット群(Alladin IV+とかMVP3とか)をFSB 66MHz駆動した時よりも安定且つ高速動作していると思う。

 これに対しTriton TX(およびその前身と言うべきTriton VX)は肝心のウリであるSDRAMがFSB 66MHzでは今一つメリットが見えない上に、メインメモリを64MB以上搭載した時にセカンドキャッシュの有効範囲が64MBに限られてしまうという謎な制限があったりしたので、それならいっそHXで128MBとか積んで物量作戦に走った方がずっと実用的(笑)という事になってしまうのだ。

 無論、その辺に関してはTX互換チップセットではフォローされていたのだが、それらはどちらかと言えばFSBを上げられる事にこそメリットがあるのであって、FSB 66MHzで回した時の挙動を見る限りでは残念ながらIntel製チップセットに及ばないというのが私の感想である。

 もっとも、どのみちSocket 7以降の98ではVLSIのSuper Core 594 ”Wildcat”を除けばIntel製チップセットしか使っていないらしいのだが・・・。

 何はともあれK6-IIIを搭載して400MHz駆動した時には、それを挿したままでは起動出来ないという理由で512KBの2nd Cacheを外していたにもかかわらずPentium II搭載のPC/AT互換機(112*4=448MHz駆動)と拮抗する程の実効速度を叩き出したのだから、このXv13/W16(注4)はつくづく良く出来たマシンだと思う。

 尚、この時の経験から考えるに、今後このマシンでK6-IIIの搭載を検討されている諸氏には電源ユニットの換装を検討される事をお勧めしておく。

 これは、このマシンに搭載されているATX電源が200W級出力の物であってそれこそマシンの内部拡張機器を全て外さない事にはCPUが必要とする電力を下駄に供給し切れなかった経験によるもので、個人的な感想としては300Wかそれ以上のクラスの電源を積むのが妥当なのではないかという気がしている。

 このマシンは購入以来5年に渡って良くその重責を果たして来たが、2002年11月1日のPC-9821RvII26/N20購入をもって退役となり、同月中に後輩のM君へ譲渡と相成った。


 (注1):当時の筆者はWindows用のN88互換BASICの存在を知らなかった。

 (注2):無論、3や4の時点で終わる事もあったそうだが、それは殆ど期待出来なかった由であった。

 (注3):周知の通り、この機種の場合PCI接続のIntel 82557 100Base-TX LANインターフェイスがオンボード搭載されているので、実質的には4スロット相当の拡張性がある事になる。只、この82557は高発熱で自己破壊してしまう事があるのでヒートシンク貼り付けが望ましく、筆者も当然にそうしていた。

 (注4):最早名前と中身が一致しないが、世の中そんなものである。


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