Power Window DX/4MC ・ Power Window DX / Canopus


Graphic Acceralation Chip:ViRGE DX / S3

RAM:EDO DRAM 4MB

Bus:PCI Rev.2.0 (32bit 33MHz 5V)

動作確認マシン:PC-9821Xa9/C8、PC-9821Xa7/C4PC-9821Xv13/W16、PC/AT互換機(GA-586HX2MS-5164)


 Canopus製のViRGE DX搭載カード。

 本来はPC/AT互換機専用として発売された製品であるが、幸いな事に搭載チップがVGA BIOS無しでも問題ない仕様であった為、ユーザーからの声に応えてPC-98接続キット(98用95/NTドライバと短くて高画質なバイパス配線用RGBケーブルのセット)が追加発売された。

 ViRGE DXは、Windows向け汎用グラフィックアクセラレータで初めて3D描画機能をまともに実装したViRGEシリーズの第2世代に当たる製品で、そこそこの描画速度とそこそこの3D描画機能が搭載されていて、しかもそこそこの価格であったのでそれなりに普及した。

 但し、このViRGEシリーズは歴代の各モデル共どの点を取ってもそこそこでしかなかったのも確かであるから、性能で明らかに勝り、各種OS/アプリケーション向けドライバのサポートでも充分張り合えるチップが出現してしまえばそれで終わりで、現実にnVIDIAのRIVA128という殆どありとあらゆる点で勝るチップが出現した為、このViRGE DXやその後継であるViRGE GXはあっさり命脈を絶たれてしまっている。

 Power Window DX/4MCとPower Window DXは、基板共用で中枢部の設計も共通の姉妹モデルで、Canopusお得意のヴィデオキャプチャ機能を搭載したDX/4MCでは動画で最大320*240、静止画では最大640*480サイズのキャプチャが可能であった。

 ちなみに、Power Window DX/4MCを挿した状態でPC-FXGAを併用するとこの様な芸当が可能であった。

 まぁ、このカードはそこそこでしかないとは言え各社の同チップ搭載カード中ではかなり速い部類に入り、Milleniumで問題となったDirect Drawの描画性能を含め全体にバランスの取れた性能を実現していた感があるが、これにはCanopusオリジナルのドライバの寄与する所がかなり大きかった様だ。

 画質的には、基本的には悪くはないが、これまでのPower Window系グラフィックボード/カードと比べればレベルが低下した印象がある。

 ついでに言えば、このカードを含む歴代のPower Window系ボード/カード群とSPECTRA 2500/3200は、どうも一部のNANAO製CRTと相性が悪いらしく、私が使用しているFlex Scan E57Tでは画面左端に筋状のノイズが乗るという悪癖があった。

 なお、このカードは一部のPC/AT互換機用マザーボードにおいて問題が発生した事でも知られるが、当時私が使っていたマザーボードというのがよりにもよってその問題の発生するMS-5164だったので、対策に非常に困った覚えがある。

 前述の通り、一応Direct 3Dでサポートされる3D描画機能が搭載されているが、今の感覚では「無いよりはまし」という程度の機能・性能でしかない。


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