ULTRA SCSI CARD 2940AU (AHA-2940AU) / Adaptec


インターフェイス:Ultra SCSI (50pin SE 20MB/s)

転送モード:Bus Master

Bus:PCI Rev.2.1 (32bit 33MHz 5V)

SCSIコントローラ:AIC-7860 / Adaptec

対応機種:PC/AT互換機・PC-9821シリーズ

動作確認マシン:PC-9821Xv13/R16,PC-9821Xv20/W30


 外部/内部共に50ピンコネクタのみのPCIバス対応Ultra SCSIカード。

 私自身保有した訳ではないが、2人の知人が購入した際にセットアップその他を依頼されて触った事があるので、ここに記しておこう。

 搭載チップのAIC-7860は、前作に当たるAHA-2940Uに搭載されていたAIC-7880からUltra Wide SCSI接続に必要となるピンを省略し、製造プロセスの変更によるサイズのコンパクト化を実現したモデルで、Card Bus対応のノートPC用Ultra SCSIカードであるAPA-1480にも搭載された、AdaptecのUltra / Ultra Wide SCSI用チップシリーズとしては、AHA-3940AU/AUWD用のAIC-7895等と同じく第2世代に当たる製品である。

 つまり、言ってみればこのカードはAHA-2940Uの廉価版後継モデルなのだが、AIC-7880搭載の2940Uは不必要に重装備であって、しかもチップサイズの関係で消費電力も大きかったから、実用上は当然この2940AUの方が利点が多い。

 ちなみに、チップの相違故かAHA-2940U/UWとはBIOSが共通ではない様だが、ドライバレベルではそれらと共通のものが利用出来るから、内蔵するRISCコアの基本設計が全く変わっていない事が伺える。

 何にせよ安定感のある使い易いカードであった事が印象に残っている。

 言ってみれば、“特徴の無い事が特徴”という、スタンダードな製品に求められる資質を備えたカードであった、という事になろうか。

 カード自体はこの時期のAdaptecスタンダードな造りで、価格的には同業他社の競合製品と比べれば多少割高な感があったが、添付されるディスクもAHA-2940Uの様にWindows95/NTとNetWareやSCO UNIX等の為のドライバが収められたFDが何枚かと、PC-9800シリーズで利用する際に必要となるBIOSセットアップユーティリティだけ、などというひどいものではなく、DOS/Windows 3.1用のASPIドライバ/マネージャを含むドライバ一式やPC-98用BIOSセットアップディスクに加え、EZ-SCSIの正規版が付属していた。

 これは恐らく一般向け販売に当たってはEZ-SCSIのバンドルが必要、とAdaptec自身判断していたという事で、当時EZ-SCSIがそれなりのプライスタグを付けて販売されていた事を考えれば、このカード自身はAdaptec純正品にしてはかなり割安に売られていたという事になろうか。

 事実、このカードが現行製品だった当時(1999)のAdaptecのカタログを見ると、AHA-2940Uが\45,600、EZ-SCSI Deluxe(\13,500相当)が付属するAHA-2940AUが\47,800となっているから、EZ-SCSIの分を差し引くと\32,300となり、定価レベルで既にAHA-2940Uの当時の実売価格に近い状態にあった事が分かる。

 なお、このAHA-2940AUはAdaptec純正PCIバス対応Ultra / Ultra Wide SCSI系カードでは最後のPC-9800シリーズ対応BIOS搭載モデルで、知人2人が購入したのもそれ故の事であった。


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