Sound BLASTER Live! 24-bit / Creative


接続バス:PCI 2.1 Bus (32bit 33MHz 3.3/5V)

サウンドコントローラ:CA0106-DAT / Creative + CS4382-KQ / CIRRUS LOGIC + WM8775EDS / Wolfson

対応機種:PC/AT互換機

動作確認マザーボード:S2885ANRF-T Thunder K8W


 Sound BLASTER Audigy LSの更に下位に位置づけられるカード。

 基板にはSB0410の表記があり、Creative製カードとしては初のLow Profile対応(注1)となっており、PCIバスのカードエッジは3.3/5V両対応仕様となっている。

 これは名目上Sound BLASTER Live!ファミリーの一員として取り扱われているが、実はこのカード、上に記した搭載チップ(CA0106-DAT)をご覧いただけばお分かりかと思うがAudigy LSと同等の基本性能を備えており、しかもDACが7.1ch 24bit 192KHz出力に対応するCS4382-KQ(注2)、ADCも4ch 24bit 96KHz入力をサポートするWM8775EDS、とラインナップ上では上位に位置づけられるAudigy LSよりも余程上等なチップが搭載されており、カード単体の機能や性能ではこちらの方が完全に上回ってしまっている。

 只、Low Profile対応の関係で実装されているコネクタ数に制限があり、しかもSPDIFブラケット用の端子も用意されていない(注3)ので、その点では確かに廉価版に位置付けられる。

 なお、このカードではアナログ出力端子が3系統しか用意されていないのだが、それでも7.1chアナログ出力はサポートされている。

 この謎の答えは「3系統のアナログ端子の内2系統分が通常のステレオミニプラグ(3接点)ではなく、4接点の特殊なミニプラグになっている」というもので、つまり2+3*2=8で8ch分の出力を3系統のコネクタに詰め込んでいる訳である。

 無論、この構成だと専用(注4)のケーブルが必須になるが、それが無くても普通のステレオミニプラグケーブルを使用すれば5.1ch出力が可能な割り振りにはなっているので、最悪でも5.1ch出力は可能である。

 更に同軸のSPDIF端子はMIC/ラインINと排他仕様になっており、このコネクタも4ピンでSPDIF入出力モジュールを繋げば光/同軸入出力が可能(注5)となっている。

 また、内部入力端子としてAUX INが用意されている為、最悪でもSPDIF出力しつつビデオキャプチャカードのアナログ音声出力を接続する事は可能である。

 ちなみにこのカードのドライバはAudigy系やAugdigy LSの物とは異なっており、それらは流用できなかった。

 Creativeのサイトで公開されている現行の最新ドライバでは共通化されているが、ネットにつながらない状態でこれらのドライバCD-ROMしか手元にない、という状態ではドライバインストールができないので注意されたい。

 アナログ出力で7.1ch構成を実現するにはそれなりの手間はかかるが、搭載部品の性能が良くしかもLow Profile対応という事で、これは使途(注6)によってはAudigy LSよりも余程潰しのきくカードであると筆者は考える。

 現実的な問題として、このカードのSPDIF出力の音質は筆者がこれまで聴いて来たサウンドカードのSPDIF出力の中でもかなり良好な部類に入り、特にASIO4ALLをインストールしてASIO出力した場合の音質に限れば、筆者の耳にはAUDIOPHILE 2496よりも好もしく聞こえた事を申し添えておく。


 (注1):パッケージには交換用ブラケットが同封されている。

 (注2):より上位のAudigy2 ZS等にも搭載されているチップで、ダイナミックレンジ114dB(24bit時。16bit時でも97dBを実現している)、かなり優秀である。

 (注3):但し、Audigy LS同様DELL製PCへのOEM版Sound BLASTER Live! / Audigyシリーズに実装されているのと同じ10ピンフロント端子用コネクタは実装されている。

 (注4):現在はCreativeのWebサイト上で通信販売にて入手可能である。

 (注5):IN・OUT・光出力用給電・GNDの4接点としてあり、7.1chアナログ接続用ケーブルと同様にCreativeのWebサイトで販売されているデジタルI/Oモジュール(SB0002:Audigy 2ZS以降のDigital Audioモデルなどに同梱されたものと共通)を接続することで全ての機能が利用可能となる。ちなみに、モノラルミニプラグを繋ぐと同軸出力のみ可能となる。また、SPDIF入力についてはいずれの条件下においても光と同軸で排他切替利用となる。

 (注6):それなり以上の出来のDACを持っていて、しかもゲームの互換性に用が無い、と断言出来るのであれば、その低価格性を含め、これは悪い選択肢ではない。


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