Sound BLASTER X-Fi Platinum (SB0460) / Creative
接続バス:PCI 2.1 Bus (32bit 33MHz 3.3/5V)
サウンドコントローラ:X-Fi Xtreme Fidelity(CA20K1) / Creative
DAC:CS4382-KQZ / CIRRUS LOGIC
ADC:WM8775SEDS / Wolfson
対応機種:PC/AT互換機
動作確認マザーボード:S2895A2NRF Thunder K8WE
2005年9月に発表された、Sound BLASTER X-Fi第1世代シリーズの1つ。
Sound BLASTER X-FiシリーズはAudigy 2/4系の後継として開発され、初代Audigyの24倍の処理能力を謳う、強力なDSPであるX-Fi Xtreme Fidelity(CA20K1)チップを搭載する。
このCA20K1は従来のAudigy系チップ各種がチップの4辺にピンが並ぶQFPパッケージだったものがチップパッケージ裏面に接点が配されるBGAパッケージに変更されており、これはチップそのものの集積度が上がっていることと、ピン数の増大を示している。
このシリーズの上位機種では、X-RAMと呼ばれるサウンドデータ展開・処理用64MB DRAMを実装するが、このPlatinumはX-RAM非実装(注1)で、X-Fi ドライブベイと称する5インチベイ用入出力ベイユニットとこれに対応するリモコンが付属する。
チップなどの基本的な仕様は2世代目のSound BLASTER X-Fi Xtreme Gamerと同一であるが、カードサイズが大きい事などからコネクタの数や構成が異なり、ブラケット最上部のマイク入力/デジタル出力兼用端子のデジタル出力は光出力ではなく同軸出力とされ、ブラケット最下部にはAD_LINKと呼称する3列D-SUB26ピン拡張入出力コネクタが実装されている(注2)。
また、基板上には前述のX-Fi ドライブベイ用としてAD_EXTおよびSPDIF_IO端子と称するSound BLASTER Audigy系と共通ピンアサインの2列35ピンコネクタ(注3)が用意されており、他に2系統の4列アナログ入力端子(CD INおよびAUX IN)とDELL製PCで用いられる10ピンコネクタも実装されている。
つまり、Audigy系というよりはLive!系の正当な後継者と言うべき仕様となっており、ほとんど無理のない、素直なレイアウトには好感が持てる。
音質についてはカタログ上S/N比109dB(注4)を公称し、その点ではSound BLASTER X-Fi Xtreme Gamerと同様であるが、このカードでは同カードで非サポートとされたDVD Audio再生や、DTS-ESおよびDolby Digital EXのデコード機能のドライバレベルでの標準実装(注5)などが行われており、機能面での差別化(注6)が図られている。
なお、筆者が入手した個体は初期出荷分であったため、X-Fiチップ上にヒートシンクが貼付されておらず、X-Fiのロゴシールが貼付されていた(注7)。
(注1):但しDSPのワークRAMとしてPC166相当の16Mbit SDRAMが1枚実装されており、2MBのメモリがワークエリアとして用意されている。もっとも、X-RAMは対応ゲームで効果があるとされるものの対応ゲームそのものが少なく、Windows Vista以降ではX-RAMどころかCreative独自規格であるEAXそのものも事実上廃止ということになったため、X-RAMが非実装であることによる弊害は皆無に等しい。
(注2):上位機種であるElite Proに同梱されているのと同じ外付けブレイクアウトボックスを接続するためのケーブルコネクタ。内部のAD_EXT端子(27ピン)と同一(D-SUBコネクタのシールド部も1ピンに割り当てている可能性が高い)のピンアサインと考えられる。なお、前作のAudigyシリーズにあったSB1394=IEEE1394a端子は廃止されている。
(注3):ATAケーブルでおなじみの2列40ピンコネクタを使用し、5ピン分塞いで誤挿入を防止している。
(注4):これに対し、上位機種であるElite Proでは公称S/N比は116dBに達し、先代のAudigy 4 Proの公称113dBをさらに上回っているが、発売時の価格はPlatinumの約2倍に達した。
(注5):いずれもAudigy 2・2ZS・4ProのDigital Audioモデル以上ではサポートされていた。
(注6):下位のSound BLASTER X-Fi Xtreme Gamerでは、DTS-ESおよびDolby Digital EXのデコード機能について、Power DVDの両機能実装版のダウンロード提供を行うことで代替している。
(注7):動作時の高発熱が問題視されたのか、途中のロットからCA20K1チップへのヒートシンク貼付が実施されている。
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