MZ-80SFD
(シングルフロッピーディスクドライブ)
今じゃ信じられないでしょうけど、フロッピーは高嶺の花だったのです。ってこっちでも書いてますが、こちらはドライブの方。ファイル転送を考えると2ドライブが基本とは言え、1台約30万円ってのはあまりにも高価。そりゃあ、わずか半径2.5インチ強の幅のドーナツ型磁性フィルムを高速に回転させて傷付けないように40分割してアクセスするようなものは精密機器、高価で当然ですが…。
時代が少し進むと、割り切って1ドライブでなんとか運用しようという雰囲気になってきます。AppleIIユーザーの多くはシングルドライブでなんとかしているらしい写真も多かったですし、サードパーティーからも1ドライブモデルの製品が登場するようになりました。シャープとしても割高感を抑えようということで発売されたのがこのMZ-80SFDです。
実は現在に至るまで、手元のMZ-80K/Cシリーズ用FDDはこのMZ-80SFDしかありません。以前からの1台に加えさらに2台増えたのですが、MZ-80FDの方は入手できておらず…。そんなわけで、旧仕様というかMZ-80B時代に少し変わるのですが、そうなる前の初期MZ用FDDを紹介できるのはひとまずこのMZ-80SFDのみということになります。
この時代のフロッピードライブは、5インチであること以外に「分厚い」のが特徴です。「フルハイト」と呼ばれていて、82mmの高さがあります。この「規格」、何かで標準が決められているわけではなくて最初に5.25インチFDDを出したシュガートの製品が由来なんだそうですね。他の会社がこのドライブにサイズを合わせて製品化したことで、メーカー問わず交換可能になっています。
なお現代の一般的なデスクトップPC用CD/DVDドライブの厚さが「ハーフハイト」、ちょうど半分の41mmということになっています。
側面から取り付くようにある4ヶ所の帯のようなものは、装飾と「足」を兼ねています。
銘板。正面じゃなくて上にありました。
背面の銘板の下にあるのが接続コネクタ。34ピンのボックス型コネクタ(レセプタクル)になっています。
このMZ-80SFDとMZ-80FDのコネクタはこの形になっているというのが、この時代の特徴ということになります。MZ-80BFの時代になってD-Subになりますが、付け外ししやすい方が良いということになったんでしょうか。レバーもついてませんしね(さらにMZ-1F02/1F07の時代にはカードエッジになるがそれはまた別の理由)。
中身。基板がナナメにカットされてるのが印象的ですね。
フラットケーブルの左端は別ドライブに接続するための増設コネクタがある基板につながっているのですが、ここにはドライブ番号を設定するDIPスイッチもあります。細いフラットケーブルによってそのスイッチ設定がドライブに伝えられます。