PC-1247
メカニカルなスイッチで切り替えていたモードがボタン式となった以外はキーの大きさも画面の桁数も変化なく、メモリもそのまま2KB、これは人気機種になるかと思いきや…。 |
高速化されたのはCPUを新しいものに替えたせい。そのCPUはこれまでの8bitのものから4bitになったのですが、すでに雑誌では一般化されたといって過言ではなかったマシン語がまたイチから解析か…というようなものではなく、メモリ操作命令の一部が欠けているためそもそもマシン語が使えないような状態。このために雑誌での評価は急降下…。まあそもそも隠し機能に期待するってのも本当は間違いなのではありますが。
で、ここにあるのはPC-1246のメモリ増強版であるPC-1247。最初から上位・下位のラインナップだったわけでなく、PC-1247が約半年遅れで発売になっています。そのあたりの事情は不明。なお、マニュアルはPC-1246のものがそのまま添付され、さらに差分マニュアルが添付されています。
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同じCPUを使用してPC-1431など廉価・高速ポケコンを増やしたシャープですが、完全に切り替えるとまではいかず、一部機種にとどまった感があります。演算速度向上のメリットを失うわけにはいかないので直系の後継機種はアーキテクチャを変えたまま代が進んでいくのですが、元の系統であるPC-1251の直系のものは最後まで切り替わることがありませんでした。シャープがどこまでアーキテクチャ切り替えを企図していたかわかりませんが、まさかBASICの仕様ではなくCPUに縛りが発生するとは思ってもみなかったでしょうね。
なぜか途中から海外向けのポケコンはカラーリングが変わっています。PC-12xx系統はPC-1255まで、PC-14xx系統はPC-1401まで、PC-15xx系統はPC-1501までが国内・海外とも同じカラーリングで、その後国内ではグレーまたは青系の色に変わりますが海外では茶系に橙のラインが入ったデザインとなり、PC-1246S以降とPC-E200/E500系統以降でまた同じデザインに戻るのです。もちろんフレーム部分やハードカバーも同じ系統の色になってます。 そういう、中身は同じで色が違うなんてのは管理上も面倒だと思うんですが…マニュアルはどうせ違うしROMも違う場合があるので、見た目にも分けた方が良いとの判断なんでしょうかね…。 |
そのターゲットに選ばれたのはPC-1246。PB-100対抗として戦略的価格を打ち出してきたマシンです。これが選ばれるということは、タンディ・ラジオシャックとしては高機能なものより手軽に買えるものを望んだということなのでしょうか。 |
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相変わらず6キーのシフト位置に¥マークが描かれてないものの、¥マークの入力が可能です。 |
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BASICポケコン誕生の時から続いてきたTRS-80 PCシリーズもこれをもって終了。日本でも「ポケコンでマシン語が使える!」と言って湧き上がった最初のブームが落ち着いて、時代の変わり目に差し掛かった頃です。日米の両方で、ポケコンの位置づけとかユーザーの変化が生まれてきていたとするなら興味深い話です。ラジオシャックではこのPC-8の後継としてどんな商品をあてがったのでしょうね…。