PC-1501

 PC-1210/1211にひとしきり憧れたものの、私はポケコンにいくつかの不満を持っていました(所有してないのに偉そうなヤツだ)。それは、せっかくのドット表示なのにグラフィック表示ができない、メモリ増設ができない、キー配列がタイプライタ形式ではない、というものでした。その不満はやっぱり世間の共通のものだったらしく、新しく発表されたPC-1500はそのどれもクリアしたすばらしいスペックを備えていました。もちろん、私の憧れがそちらに変更されたのは言うまでもありません(^_^;)。
 ですが、PC-1251を入手していろいろ遊ぶようになるうち、特に「マシン語が扱えてグラフィックが出れば文句はない」という事実からどんどんマイナー視するようになり(ほとんどモデルチェンジやラインナップ強化がなかったですからねぇ)、あれだけあった憧れはどこかに行ってしまったのでした。
 このグラフィック表示が、憧れの的だったわけです。グラフィック専用のGPRINT文というものがありまして、文字列とかでパターンを指定します(一番上がLSBです)。
 液晶の下に6つ並んでいるのがファンクションキーで、これがポケコンに搭載されるというのも驚きでした。キーそのものは6つだけですが、3面切り替えて登録することができ、つまりは計18個分の定義ができるようになっています。
 アルファベットキーにはそれぞれにカナがふられていますが、標準ではカナは使えず、カナデータがROMになっているCE-157というモジュールを使うかソフトとして提供されている「カナテープ」を使用することになっていました。面白いのはパンフを見るとプリンタへの印字もこれらのカナのオプションが必要だったことで、どうやら普通のフォントデータではなくプロッタプリンタ用のストロークデータだったようです。
 ところで、カナのキー配列はJISを一段下にずらしたものなんですが、ローマ字入力はできません。この当時はまだパソコンでも日本語入力=カナ打ちという固定概念が拭えず、ポケコンでもPC-1350くらいまでJISかアイウエオ順の配列になっていました。ローマ字が標準になるのはPC-1248ぐらいからで、このベースがあって電子手帳のあの操作性が生まれたわけなのですね。
 裏面の増設モジュール取り付け部。初期のモジュールはもう少し小ぶりで取り付けた後カバーでふたをするものだったようですが、後期はモジュール自体がふたの役目をするようになっています。
 当時ポケコンの新製品を見ていて思ったのですが、もしかして、ポケコンの開発部隊は2グループいてそれぞれが競争するようになっていたのでしょうか?例えば、PC-1500はRAMの容量が3.5KBだったのに、後から発売されたPC-1251が4.2KBでフラッグシップ機=PC-1500よりも標準では大容量になり、それを超えるべく開発されたPC-1501は8.5KB、しかし対抗するかのようにPC-1255が10.2KB、というように互いに争っているように見えるのです。
 もっとも色調とかPC-1600Kの時代には周辺機器さえも共通で使用するものもあって、後期にはそれほど争っているような印象はありませんでしたけどね。シャープはなんとなく社内での競争を奨励しているような気がしていたので「これもかな」と思っただけなのですが…。

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