LSI20320 / LSI LOGIC


インターフェイス:Ultra 320 SCSI (68pin LVD 320MB/s) *1

転送モード:Bus Master

Bus:PCI-X 1.0 (32/64bit 33/66/100/133MHz 3.3/5V)

SCSIコントローラ:53C1020 / LSI LOGIC

対応機種:PC/AT互換機

動作確認マザーボード:S2895A2NRF Thunder K8WES2567U3AN Thunder HEsl


 53C1020を搭載する、LSI Logic製Ultra 320 SCSI対応アダプタカードシリーズの一つ。

 BIOSアップデート以降Thunder K8WEでASC-29320-Rが事実上使用不能となった(PCI Express対応グラフィックカードとリソースが競合する)ことへの対策として購入。

 ブラケット交換でLow Profile対応スロットへの実装が可能となる基板デザインで、外部コネクタはこの種のカードの定石通り、VHDIタイプの高密度ミニチュアコネクタを搭載している。

 製造プロセスの制約か、それとも内部動作クロックの関係からか、チップ表面にはヒートシンクが実装されており、この点ではパッケージが露呈していたAdaptec製AIC-7801/7802とは対照的であるが、動作は安定しており性能面でも特に大きな差異は見出せない。

 Thunder K8WEでのリソース取得の振る舞いを見る限り、マザーボードへのオンボード実装向け供給も考慮してBIOS回りが非常に素直な挙動かつコンパクトな実装となっている模様で、トランジスタ数の増大による発熱を忍んででも出来ることは極力ハードウェアで実装し、ソフトウェアに依存する部分を減らしているものと推測される。

 もっとも、その一方でUltra 320 SCSIの後継となるSASカード用BIOS・ドライバとの仕様の統合も進められている模様で、ソフトウェアレベルでの抽象化を進めるべく、ソフトウェアインターフェイスの仕様統一が行われている。

 LSI Logicは伝統的にソフトウェアを各世代・グレード間で共用可能な実装とすることを好む傾向が強く(それは半導体ベンダとしての性格が強くハードウェアが主でソフトウェアが従、というスタンスであるためであろう)、社内でのソフトウェア開発リソースの小ささが窺えるのだが、その反面、実用上は確かに高性能だがソフトウェアでの小技に走りすぎて扱いづらい一面のあるAdaptec製品よりも堅実で扱いやすい製品が多く、筆者にはUltra 160 SCSI以降は特にその傾向が強くなっている様に思われる。

 いずれにせよ、筆者の常用環境でUltra 320 SCSIを使用するにはLSI Logic製カード以外の選択肢が事実上存在しないのだが、どのマシンに持って行ってもそこそこ以上の性能を発揮するこのカードの性能には満足している。


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