ADAPTEC SCSI CARD 29160 (ASC-29160) / Adaptec


インターフェイス:Ultra 160 SCSI (68pin LVD 160MB/s) / Ultra Wide SCSI (68pin SE 40MB/s) / Ultra SCSI (50pin SE 20MB/s)

転送モード:Bus Master

Bus:PCI Rev.2.2 (32/64bit 33/66MHz 3.3/5V)

SCSIコントローラ:AIC-7892 / Adaptec + AIC-3860Q / Adaptec

対応機種:PC/AT互換機

動作確認マザーボード:SUPER PIIIDMES2466N-4M Tiger MPXS2462NG Thunder K7


 Adaptec製Ultra 160 SCSI対応PCIアダプタカードシリーズの基幹機種。

 シリーズを構成する姉妹機種としては、上位の2ch版であるASC-39160、ロープロファイル版であるASC-29160LP、32bit PCI専用のASC-29160N、更に29160Nベースでサポート対象OSをWIndows系に限定した廉価版のASC-19160が存在する。

 これはUltra 2 SCSI用のAHA-2940U2Wの後継機種で、PCI Rev.2.2準拠の64bit 66MHz PCIバス対応でUltra 160 SCSIバス1chと、SpeedFlexと呼ばれるSCSIバスブリッジ技術によってこれに接続されるUltra Wide SCSIバス1ch(但し論理的にはSCSIバスは1chのみしか存在せず、当然扱えるデバイス数も15までとなる)を搭載するかなり複雑な設計のカードで実質2ch対応カード並みの内容を持つ為、SCSIカードとしては大柄な部類に入る基板を持っている。

 性能的にはUltra 160 SCSIカードの基準機種足りうる優秀な製品であるが、Adaptec製64bit PCIバス対応製品の例に漏れず接続バス幅が転送性能にストレートに響く(より正しくはコントローラの転送タイミングが最上位のバスに最適化されているらしく、それ以外では覿面に性能が低下する)傾向が強く、64bit 66MHz PCIバス接続時と32bit 33MHz PCIバス接続時では得られる性能が全く異なるという困った一面もあり、その点では評価の難しいカードである。

 この点、どのバスでも動作の最適化を図ってコンスタントに性能の出るLSI Logic製品と好対照だが、筆者が実測した限りでは、最速のバスで接続出来る場合の性能はAdaptec製品に軍配が上がるので、ケースバイケースで選ぶ他あるまい。

 ちなみに、このカードを含むAdaptecのUltra 160 SCSI対応アダプタカードは、搭載BIOSのバージョン(筆者は実験の時点での最新版である3.10.0で確認した)が揃えてあれば一つのBIOSが同一PCに挿された全ての同系カード上のSCSIコントローラを統合管理する実装になっており、例えばASC-39160とASC-29160が挿してあると、BIOSからはあたかも3chのSCSIカードが1枚挿してある様に見え、各カードに接続されたHDDも順番に認識される様になっている。

 まぁ、このご時世にSCSIカードを複数挿して利用するユーザーというのはかなり限られると思うし、同一グループ内に限られるので実現は難しいと思うが、同じメーカーのカードで揃えておくとこういうメリットがある事は特筆しておきたい。


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