Gamesurround Fortissimo III 7.1 / Hercules


接続バス:PCI Bus (32bit 33MHz 5V)

サウンドコントローラ:CS4624-CG / Crystal Semiconductor + CS4294-JQ / Crystal Semiconductor *2

対応機種:PC/AT互換機

動作確認マザーボード:S2895A2NRF Thunder K8WES2663S2567U3AN Thunder HEsl


 2002年9月にHercules(Guillemot)から発売開始された、Crystal Semiconductor製DSP内蔵サウンドコントローラであるCS4624(1998年7月発表)を搭載する7.1ch出力対応サウンドカード。

 同系のカードとしては2000年秋に発売されたTurtle BeachのSanta Cruz(CS4630搭載)が有名だがそちらは搭載チップでは上位となるものの5.1ch出力対応であり、アナログ7.1ch出力をサポートした一般向けのPC用サウンドカードとしては、こちらのGamesurround Fortissimo III 7.1がほかのチップを搭載する機種を含め、日本市場に投入された最初の製品となると見られる。

 ハードウェア的にはCS4624に2基のCS4294(4ch Codec)をぶら下げて7.1ch出力対応としたもので、ステレオミニジャックを6基とTOS Link出力端子(48KHz出力固定)のみをブラケット部に搭載し、MIDI/JOYSTICKポートはI/Oピンを基板上に用意するだけとなるなど、以後の7.1ch出力対応カードでも概ね踏襲されることになるシンプルなレイアウトとなっている。しかし、時期が時期なので未だカード上にはアナログ入力端子が多数用意されており、今見るとその点でやや古風な印象を受ける。

 この時期のサウンドカードとしてはごく普通の実装で、音にもSanta Cruzほどの感銘はなかった(ちなみに発売当時の実売価格は倍ほども違った)が、CS4624/4630搭載カードとしては珍しく、Windows Vista(ただしx86版のみサポート)用ドライバがきちんと提供されたことは評価に値する。

 なお、このVista用ドライバはインストール先フォルダを直接指定して手動でドライバをインストールしなければならず、しかも内蔵シンセ関連のコントロールパネルでエラーが出たりするものの、x86版Windows 7で特に問題なく音が出ている。また、例によって例のごとく、このカードのカードエッジ端子も3.3V対応キーの位置に欠き取りがあるのだが、3.3V PCIスロットに挿すとGNDにVccあるいはVssが直結となるらしく保護機能が働いて起動しない。これについても、カードエッジ端子のいくつかをパターンカットすれば一応3.3V対応スロットで動作していることを申し添えておく。


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