Xwave 6000 (N6B) / Labway


接続バス:PCI Bus (32bit 33MHz 5V)

サウンドコントローラ:YMF754-R / YAMAHA + STAC9708T / SigmaTel

対応機種:PC/AT互換機

動作確認マザーボード:S1837UANG ThunderboltSUPER PIIIDMES2460 Tiger MP


 かつてOEM供給を含めてPC向けサウンドカード市場に一大勢力を形成した、Labwayの恐らくは最後の新規設計によるYMF-7x4搭載サウンドカード。

 2000年夏頃より出回り始めた。

 この製品の後、CMI8738シリーズ搭載機種を幾つかと、Phillips向けOEM供給カードを何種か出したのを最後に、Labwayはサウンドカード市場から姿を消すこととなった。

 搭載チップはヤマハのPCIバス対応サウンドチップとしてこちらも最後の製品となったYMF-754-Rで、これは前作YMF-744B-Vの改良型に当たり、主としてノートPCへの搭載に配慮した改良が加えられているが、その一方でSPDIF回りの設計改善も行われており、SPDIF入力経由での44.1KHzフォーマットのwaveデータのダイレクトレコーディングへの対応が実現している。

 カードそのものの設計は、同じXwave6000型番で販売されたYMF-744B-V搭載カード(N60・N62)の基本設計を引き継ぎつつチップ変更に伴うパターン変更が加えられたもので、故にLabway製L00ドーターカード搭載用コネクタの実装や、これに伴う内部入出力端子の変則配置などの特徴もそのまま踏襲されている。

 音質的には、標準添付のドライバに音割れの問題が残っており、それだけで論外という感じがするが、ヤマハのリファレンスドライバで聴いてもアナログについては入出力端子の変則配置が悪影響を及ぼすのか平均以上の音質ではあり得ず、同じドライバ、同じ条件でもきちんと作り込まれたMINTONのAudio Cyclone SP410D (Rev.A)やHOONTECHのSOUND TRACK YMF-754 i-PHONE DiGiTAL XG GOLD等と比べると一段落ちるというのが筆者の感想である 。

 もっとも、このカードではSPDIF出力の信号精度が向上しているらしく、同じLabwayが実際の設計製造を担当したと見られるであるMINTONのAudio Cyclone SP402Dでは正常に同期しなかったEsoteric D-2のSPDIF入力につないでもきちんと同期出力されており、この点については評価出来る。

 日本市場では大量に出荷されていたカードなので今でも中古市場での流通量が比較的多く、また、今更アナログ入力を使用する機会もそう多くはないだろうから、YMF-744/754搭載サウンドカードを探す場合には選択肢の1つとして覚えておいて損の無い製品である。


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